セッション情報 | 特別企画 後期研修医(卒後3-6年迄) |
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タイトル | W-13:当科におけるH. pyloriの除菌による過形成性ポリープの変化についての検討 |
演者 | 吉田 健太(弘前大学 大学院医学研究科 消化器血液内科学講座) |
共同演者 | 下山 克(弘前大学 大学院医学研究科 消化器血液内科学講座), 石田 晋吾(弘前大学 大学院医学研究科 消化器血液内科学講座), 平賀 寛人(弘前大学 大学院医学研究科 消化器血液内科学講座), 澤谷 学(弘前大学 大学院医学研究科 消化器血液内科学講座), 珍田 大輔(弘前大学 大学院医学研究科 消化器血液内科学講座), 櫻庭 裕丈(弘前大学 大学院医学研究科 消化器血液内科学講座), 花畑 憲洋(弘前大学 大学院医学研究科 地域医療学講座), 三上 達也(弘前大学 医学部附属病院 光学医療診療部), 佐々木 賀広(弘前大学 医学部附属病院 医療情報部), 福田 眞作(弘前大学 大学院医学研究科 消化器血液内科学講座) |
抄録 | 【目的】2013年2月より、Helicobacter pylori 感染胃炎に対するHelicobacter pylori 除菌治療が保険適用となった。これまで、Helicobacter pylori と胃の過形成性ポリープとの関連性が指摘されていたが、保険適用の問題で除菌が行われず、場合によっては内視鏡的に切除されることがあったが、今後は第1選択として除菌が行われることが予想される。そこでHelicobacter pylori 除菌の過形成性ポリープへの影響について検討した。【対象と方法】当科で2006年11月から2013年2月の間に内視鏡検査により胃過形成性ポリープと診断され、その後Helicobacter pylori 除菌に成功し、経過観察の内視鏡検査を受けた14例を対象とした。除菌治療前後のポリープの最大径、部位、個数および消失までの期間について検討した。【結果】検討した14例(男性7例、女性7例、年齢:50~78歳)のうち11例は1次除菌、3例は2次除菌で除菌に成功した。除菌前のポリープの最大径は、3~20mm。ポリープの部位は、胃体部7例、幽門前庭部3例、噴門部1例、胃角部1例、その他2例であった。ポリープの個数は、1個6例、2個4例、4個1例、多数3例であった。除菌治療後、以下のような特徴を認めた。(1)5mm以下の比較的小さいポリープは除菌により早期に消失した。(2)除菌有効例では、除菌後約1年後には著明な縮小・消失が認められたが、2例では除菌成功2年後でもポリープのサイズにほとんど変化はなかった。(3)除菌後に消失するポリープは胃体部のものが多く、除菌前後で変化が少ないも2例はいずれも前庭部の病変であった。今回の検討では、年齢、性別、ポリープの型による違いは明らかでなかった。【結語】Helicobacter pylori 除菌が、胃の過形成性ポリープに対する、比較的安全で有効性の高い治療であると考えられた。ポリープのサイズが小さいこと、発生部位が胃体部であることは除菌治療が有効である可能性が高い。また、経過観察は2年間をひとつの目安とし、縮小や消失を認めない場合には、切除など他の治療法も検討すべきと考えられた。 |
索引用語 | 過形成性ポリープ, Helicobacter pylori |