セッション情報 一般演題

タイトル O-28:

クローン病に合併した間質性腎炎の2例

演者 齋藤 大輔(東北労災病院 胃腸科)
共同演者 前川 浩樹(東北労災病院 胃腸科), 小島 康弘(東北労災病院 胃腸科), 祢津 寧子(東北労災病院 胃腸科), 玉渕 泰史(東北労災病院 胃腸科), 楠瀬 寛顕(東北労災病院 胃腸科), 仲程 純(東北労災病院 胃腸科), 半田 朋子(東北労災病院 胃腸科), 齋藤 晃弘(東北労災病院 胃腸科), 北川 靖(東北労災病院 胃腸科), 濱田 史朗(東北労災病院 胃腸科), 大原 秀一(東北労災病院 胃腸科), 岩間 憲行(東北労災病院 病理診断科)
抄録 【はじめに】クローン病(CD)には種々の腸管外合併症がみられるが、間質性腎炎(interstitial nephritis:IN)の報告はまれである。今回、レミケード維持療法中にINを発症した2例を経験したので文献的考察を加え報告する。【症例1】31歳男性。平成17年3月発症。同年5月に大腸型クローン病の診断となりメサラジン3000mg/日を内服開始。7月からレミケードの維持療法を継続していたが徐々に効果減弱がみられていた。平成23年7月末に発熱、腹痛が出現。仙腸関節炎を発症し、CDの病勢悪化が疑われた。8月に血清クレアチニン値:1.27mg/mlと上昇したため、腎臓内科に紹介となった。腎生検の結果、糸球体には特記所見なくリンパ球浸潤を中心とした間質変化を認めたことからINの診断となった。【症例2】31歳女性。平成20年10月発症。平成21年4月に大腸型CDと診断した。同年4月からメサラジン3000mg/日内服とレミケードで治療を開始した。平成22年4月に発熱、皮疹が出現し、メサラジンの関与が疑われたため内服中止。平成24年3月に下痢と腎機能の増悪出現。レミケードの治療効果が不十分であると考えプレドニン内服、顆粒球吸着療法をおこなった。7月に血清クレアチニン値が上昇したため、腎臓内科紹介となった。メサラジン内服中止からほぼ2年経過していること、薬剤によるリンパ球刺激試験(DLST)陰性であったこと、腎生検の結果からCDの悪化に伴って顕在化した腸管外合併症としてのINの診断となった。【結語】INはメサラジンの副作用として発症することが知られているが、今回は腸管外合併症としての2例を経験した。現在いずれも腎機能は安定しているが、CD経過中に腎機能障害が出現した場合には、上記を念頭におき腎生検を含めた精査・加療が必要と考えられた。
索引用語 クローン病, 間質性腎炎