セッション情報 | 特別企画 後期研修医(卒後3-6年迄) |
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タイトル | W-19:当院におけるGIST症例の検討 |
演者 | 三浦 真奈美(岩手県立中央病院 内視鏡科) |
共同演者 | 松本 信(岩手県立中央病院 内視鏡科), 天野 良彦(岩手県立中央病院 内視鏡科), 村上 晶彦(岩手県立中央病院 内視鏡科), 阿部 康弘(岩手県立中央病院 消化器科), 横山 直信(岩手県立中央病院 消化器科), 大方 英樹(岩手県立中央病院 消化器科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院 消化器科), 小原 範之(岩手県立中央病院 消化器科), 城戸 治(岩手県立中央病院 消化器科), 池端 敦(岩手県立中央病院 消化器科) |
抄録 | 【はじめに】消化管間葉系腫瘍(以下gastrointestinal stromal tumor、GIST)は消化管、大網、腸間膜から発生する。2008年3月に公表された診療ガイドラインを参照し、当院のGIST症例を検討することでその傾向を明らかにした。【対象】2001年1月~2013年4月に当院で新規に診断、治療を施行した症例78例を対象とした。【結果】男性37例、女性41例。平均年齢67歳(31歳~86歳)。病変の部位は、胃49例、小腸16例、直腸5例、十二指腸4例、腸間膜2例、食道1例、原発巣切除後の肝、腹膜転移例1例。発見動機は、検診異常が19例、貧血・消化管出血が13例、その他には食欲不振、腹部膨満感などであった。無症状の症例では他疾患のために施行したCTや内視鏡検査で偶然発見されたものなどが含まれていた。内視鏡観察を行った症例は54例で、うちEUSを用いた症例は16例であった。生検でGISTと診断可能であったのは6例、EUSを含め内視鏡で術前診断が可能であったのは17例であった。術前に生検でGISTと診断可能であった症例はいずれも胃GIST症例であり、腫瘍中心に陥凹または潰瘍形成を伴う症例であった。治療法として外科的切除例は76例であり、イマチニブ使用例は15例(初発切除不能1例、再発・転移例3例、術後補助療法11例)であった。術前にイマチニブを使用した例は認めなかった。切除標本の最大径の平均は6.5mm(0.9cm~26cm)で、リスク分類(Fletcher分類に基づく)は超低リスク4例、低リスク22例、中間リスク15例、高リスク28例であった。 【症例提示】80歳代女性。受診の半年前より腹部膨満感を自覚しており、便秘や嘔気も出現したため近医受診。上下部内視鏡検査で腫瘍性病変なく、CTで腹腔内巨大腫瘤、肝左葉に嚢胞性腫瘤、腹水を認め当科紹介となった。経腹壁腫瘍生検施行し、腸間膜GISTと診断。切除不能と判断しイマチニブ400mg/日内服開始し現在経過観察中である。 |
索引用語 | 消化管間葉系腫瘍, イマチニブ |