セッション情報 一般演題

タイトル O-59:

嚢胞変性を呈した膵内分泌腫瘍の1例

演者 澤田 洋平(青森市民病院 消化器内科)
共同演者 吉村 徹郎(青森市民病院 消化器内科DELIMITER弘前大学大学院医学研究科 消化器血液内科), 五十嵐 剛(青森市民病院 消化器内科DELIMITER弘前大学大学院医学研究科 消化器血液内科), 川口 章吾(青森市民病院 消化器内科DELIMITER弘前大学大学院医学研究科 消化器血液内科), 和田 豊人(青森市民病院 消化器内科), 福田 眞作(弘前大学大学院医学研究科 消化器血液内科)
抄録 【症例】66歳.女性【主訴】特になし【既往歴】平成8年、特発性膵炎・仮性膵嚢胞(他院)【現病歴】平成24年2月当院産婦人科で子宮頚癌のため広汎子宮全摘術施行。平成25年1月follow up CTにて20mmの膵腫瘤を指摘された。産婦人科から精査目的に当科紹介となった。【入院時検査】CEA 2.2、CA19-9 4.5。CTで膵体部上部に20mm大の低吸収域腫瘍があり、壁がやや厚くやや不整で悪性も考慮された。転移性腫瘍・リンパ節・腹水等は不明。MRIでは膵尾部に21×18mmの単房性嚢胞があり、嚢胞内部に乳頭状の実質成分を複数認め、悪性の可能性が考慮された。主膵管の拡張は認めず。膵頭部周囲に軟部影を認め、リンパ節転移の可能性が示唆された。PET‐CTでは、膵嚢胞部に強い集積あり、骨盤内は膀胱の集積のみであった。腹部USでは、膵体部に21×28mmの嚢胞あり。嚢胞内腔面は不整で壁は4mm程度であった。ERPでは嚢胞は描出されず、膵管に異常所見無し。【経過】手術目的で外科転科。4月26日膵尾側切除+脾摘術試行。膵体部に25×15mmのcystic tumorを認めた。病理組織学的診断はPancreatic neuroendocrine tumor(pNET), G1, pT2, pN0 であり、CD56, chromogranin A, synaptophysinの神経内分泌markersがいずれも陽性であった。Multiple Endocrine Neoplasia (MEN)の可能性があり、頭部CT,腹部CTでも下垂体、副腎に異常は認められなかった。当院内分泌内科頼診したところ、MENは否定的であった。pNET術後として内分泌内科followとし、退院となった。【結語】嚢胞形成を呈した膵内分泌腫瘍を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 膵内分泌腫瘍, 膵嚢胞