セッション情報 | 特別企画 初期研修医(卒後2年迄) |
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タイトル | W1-01:十二指腸下行部に直接浸潤を来した上行結腸原発神経内分泌癌の一例 |
演者 | 伊藤 貴司(岩手県立中央病院 消化器科) |
共同演者 | 池端 敦(岩手県立中央病院 消化器科), 大方 英樹(岩手県立中央病院 消化器科), 阿部 康弘(岩手県立中央病院 消化器科), 横山 直信(岩手県立中央病院 消化器科), 松本 信(岩手県立中央病院 消化器科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院 消化器科), 三浦 真奈美(岩手県立中央病院 消化器科), 小原 範之(岩手県立中央病院 消化器科), 城戸 治(岩手県立中央病院 消化器科), 臼田 昌弘(岩手県立中央病院 消化器外科), 小野 貞英(岩手県立中央病院 病理診断科), 村上 晶彦(岩手県立中央病院 内視鏡科), 天野 良彦(岩手県立中央病院 内視鏡科) |
抄録 | 【症例】70歳代,男性.主訴:食欲不振,体重減少.家族歴:特になし.既往歴:50歳代,S状結腸癌にて手術.60歳代,左肺扁平上皮癌にて手術.現病歴:食欲不振と約2ヵ月で10kgの体重減少がみられ,前医を受診した.内視鏡検査で十二指腸下行部に潰瘍を伴う腫瘤がみられ精査のため当科紹介となった.現症:身長159cm,体重48kg,血圧106/80mmHg,脈拍116/分.体温37.0度.貧血・黄疸なく,腹部に圧痛や腫瘤はみられなかった.血液検査では白血球増加,CRP上昇,低蛋白血症がみられ,CEA 14.0 ng/mlと高値であった.上部内視鏡検査では十二指腸下行部に潰瘍形成を伴う粘膜下腫瘍様の隆起性病変がみられた.生検組織では異型腺管がみられ,免疫組織学的にクロモグラニンA陽性,シナプトフィジン陽性,CD56陰性,CK7陰性,CK20 陽性,MIB-1陽性率79.1%であり,腸由来の神経内分泌癌が疑われた.大腸内視鏡検査では横行結腸に1/2周性の2型腫瘍と肝彎曲部に全周性腫瘍がみられた.生検組織では前者はtub1, group 5,後者は免疫組織学的に十二指腸病変と同様の神経内分泌癌と診断された.CTでは肝彎曲部の結腸から十二指腸に至る不整な腫瘤性病変がみられ,栄養血管は右,中結腸動脈と推測された.遠隔転移の所見はみられなかった.以上から,上行結腸原発の神経内分泌癌と横行結腸腺癌と診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術および右半結腸切除術が施行された.病理診断は神経内分泌癌,pT4b,ly1,v2,および中分化腺癌,pT3,ly1,v2であり,n(-),MIB-1陽性率69.9%であった.術後は良好に経過し術後10日目に退院となった.【考察】大腸原発の神経内分泌癌はまれで,全大腸癌の0.2%を占めるにすぎない.また,近接臓器に直接浸潤を来した症例は十数例の報告のみである.極めて悪性度が高く予後は不良とされている.本例では高いMIB-1陽性率,隣接臓器への直接浸潤がみられたが,遠隔転移やリンパ節転移がなく切除可能であった点が特徴的である.【結語】十二指腸下行部に直接浸潤を来した上行結腸原発神経内分泌癌の一例を経験した. |
索引用語 | 神経内分泌癌, 上行結腸原発 |