セッション情報 一般演題

タイトル O-46:

麻子仁丸を利用した大腸ファイバーの挿入法

演者 山本 馨(大島医院)
共同演者
抄録 麻子仁丸を利用した大腸ファイバーの挿入法20年ほど前から、大腸検査でX-rayを透かさないガスはないものかと考え、ガスで大腸の二重造影を考えた。バリウムによる体位変換なしで、全大腸の粘膜が読めるのではと思ったのだが、そのようなガスはないようだった。 それではガストログラフィンを飲ませて、大腸に到着したときに空気を入れればいいのではないか考え、実行してみると、一番大腸癌の多いS状結腸は読影不能だった。その時にS状結腸をみる為ファイバーを挿入した所、ファイバーが抵抗もなくスムーズにトンネル状態で入っていくことが確認できた。おそらくガストログラフィンによるぬめりで、S状結腸が屈曲することもなく入っていくのだろうと思った。 そこでさらに油性成分を持つ麻子仁丸を併用して飲ませたら、いかがかなと思いついた。すると前にも増して滑りがよくなった。 麻子仁丸は潤腸通便の効果があり老人や虚証の人、津液が少なく、血燥き、胃腸に熱ある常習便秘に用いられる。構成生薬の麻子仁、杏仁は油性成分があり腸内潤滑作用があることから、ガストログラフィンのぬめりを良くしたと考えられた。 ガストログラフィンと麻子仁丸を併用することで、大腸のねめりが増し、特別なテクニックも必要なく、さらに患者の苦痛も少なく、大腸ファイバーはS状結腸を通過することができる。
索引用語 麻子仁丸, ガストログラフィン