セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-48:EUS-FNAが診断に有用であった膵石灰化を伴う自己免疫性膵炎の一例 |
演者 | 本郷 星仁(東北大学病院 消化器内科) |
共同演者 | 濱田 晋(東北大学病院 消化器内科), 正宗 淳(東北大学病院 消化器内科), 吉田 直樹(東北大学病院 消化器内科), 中野 絵里子(東北大学病院 消化器内科), 三浦 晋(東北大学病院 消化器内科), 滝川 哲也(東北大学病院 消化器内科), 有賀 啓之(東北大学病院 消化器内科), 粂 潔(東北大学病院 消化器内科), 菊田 和宏(東北大学病院 消化器内科), 菅野 敦(東北大学病院 消化器内科), 廣田 衛久(東北大学病院 消化器内科), 下瀬川 徹(東北大学病院 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】慢性膵炎は膵癌発生のリスク因子である。一方、自己免疫性膵炎は限局性の膵腫大を呈することがあり、膵癌との鑑別を要する。今回、慢性膵炎としての経過観察中に膵頭部腫瘤が出現し、超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診・組織診(以下EUS-FNA)が診断に有用であった症例を経験したので報告する。【症例】54歳、男性。【主訴】心窩部痛【既往歴】平成14年胆石にて胆嚢摘出術。平成21年より糖尿病・高血圧症(内服治療中)。【生活歴】アルコール:週一回ビール2杯とウイスキーシングル3杯、喫煙:20本/日・34年間【現病歴】平成24年7月、飲酒後に心窩部痛あり。近医にて施行した超音波検査で膵頭部に石灰化を指摘され前医紹介。慢性膵炎の診断となった。同年11月同様の腹痛あり、慢性膵炎急性増悪として前医入院。保存的加療で軽快したが、退院後も腹部不快感持続し膵頭部腫大の改善なく、平成25年2月精査目的に当科紹介となった。血液検査ではリパーゼ:53U/l、アミラーゼ:86U/l 、CEA:4.9ng/ml、CA19-9:3.7U/ml、DUPAN-2:740U/ml。IgG4は113mg/dlであった。腹部CTでは膵頭部の石灰化と造影効果不良な腫瘤がみられ、膵体尾部の萎縮と軽度の膵管拡張を認めた。PETでは膵頭部にSUVmax:5.2の集積あり。ERCPでは膵管は膵石により頭部で途絶、EUSでは膵石の間に充実性のmassを認めた。EUS-FNAを施行したところ組織学的には異型細胞を認めず、striform fibrosisおよびリンパ球とIgG4陽性の形質細胞浸潤を多数認め、閉塞性静脈炎もみられた。組織学的にはlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitisの所見であり、自己免疫性膵炎と診断しステロイド治療の方針となった。【まとめ】限局性の膵腫大をきたす自己免疫性膵炎では膵外病変のない場合、組織学的診断なしでの確定診断はしばしば困難である。EUS-FNAによる適切な組織採取は自己免疫性膵炎の診断に有用と考えられる。 |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, 膵頭部腫瘤 |