セッション情報 一般演題

タイトル O-07:

東北大学病院における脳死肝移植患者の長期成績

演者 川岸 直樹(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科)
共同演者 藤尾 淳(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 中西 渉(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 三浦 佑一(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 西村 隆一(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 戸子台 和哲(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 原 康之(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 中西 史(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 武田 郁央(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 宮城 重人(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 佐藤 和重(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科), 近藤 泰輝(東北大学病院 消化器内科), 下瀬川 徹(東北大学病院 消化器内科), 大内 憲明(東北大学病院 移植・再建・内視鏡外科)
抄録 【目的】当院で施行した脳死肝移植患者4例と海外で移植した10例の術後経過について報告する。【方法】当院では2000年7月から脳死肝移植施設となり脳死症例4例を経験した。また、海外で脳死肝移植をした後当科外来フォローしている10例について長期経過も含め検討した。さらに、2013年10月までに脳死肝移植適応評価委員会で登録認定を受けた110症例につき検討した。【結果】脳死肝移植となった4例の原疾患はC型肝硬変、BA、PBC、生体肝移植後グラフト不全(移植後7年7ヶ月)であり、待機日数は432日、906日、766日、127日で、MELDは20点、14点、26点、30点であった。C型肝硬変症例は、術後呼吸器合併症で退院まで75日を要したが、術後2年目からIFN、リバビリン投与され、HCV-RNA陰性化した。BAの症例は、術後42日で退院したが、術後4年間で腹痛、発熱、急性拒絶反応などで6度の再入院をしている。PBCの症例は術後30日で退院し、外来で問題なく経過観察中である。3例とも職場復帰も果たし、通常の生活を送っている。生体肝移植後グラフト不全の症例は、術後15日で呼吸不全のため死亡した。海外で移植した症例は10例で、Australia6例、USA2例、中国1例、台湾1例である。このうち1例は2回海外で脳死肝移植を受けた後、本邦で脳死肝移植を他施設で受け、現在経過良好である。1例は海外で2回移植を受け、帰国後グラフト不全になり、現在本邦で脳死登録中である。脳死肝移植登録認定を受けた110例の認定症例のうち95例が日本臓器移植ネットワークに登録した。9例は生体肝移植後の肝不全での登録であった。認定症例のうち半数は死亡した。2013年10月末時点での登録中の症例は17例である。法改正前後での登録数に劇的な変化はなかった。【結論】脳死肝移植の長期経過はおおむね順調である。2011年10月から脳死登録制度が一部変更になり、より重症な患者への臓器配分は進んだが、脳死肝移植を受けられる確率は依然低い。
索引用語 肝移植, 脳死