セッション情報 シンポジウム1「高齢者消化管癌診療の適正化と工夫」

タイトル S1-07:

高齢者の大腸癌治療における分子標的薬の安全性と適正化における検討

演者 飯野 勢(弘前市立病院 内科DELIMITER弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学講座)
共同演者 佐竹 美和(弘前市立病院 内科DELIMITER弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学講座), 坂本 有希(弘前市立病院 内科DELIMITER弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学講座), 相原 智之(弘前市立病院 内科), 山形 亮(弘前市立病院 内科), 坂本 十一(弘前市立病院 内科), 遠野 博(弘前市立病院 内科), 福田 眞作(弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学講座)
抄録 【はじめに】大腸癌治療で分子標的薬はガイドラインにおいて一次治療から三次治療での使用が推奨され、現在広く用いられている。大腸癌患者は高齢者が多数をしめるが、高齢者に対する分子標的薬併用化学療法の有効性と安全性における報告は少ない。今回我々は一般市中病院での高齢者の分子標的薬併用化学療法の適正を検討するために、過去に当院で治療を行った大腸癌患者における分子標的薬使用例を調査した。【方法】65歳以上を高齢者、65歳未満を非高齢者とし、当院で治療を行ったstageIVの大腸癌患者で、2009年3月1日から2013年11月1日までにBevacizumabを投与した 60例(高齢者35例、非高齢者25例)と、2010年6月から2013年11月1日までにPanitumumabを投与した13例(高齢者7例、非高齢者6例)において、副作用の検討を行った。また、一次治療としてBevacizumab/mFOLFOX6療法施行の28例(高齢者13例、非高齢者15例)に対して全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)の検討を行った。【結果】grade2,3の副作用は、Bevacizumabで高齢群と非高齢群で比べると、白血球減少は20例(57.1%)と13例(52.0%)、貧血は14例(40%)と11例(44%)、血小板減少は7例(20%)と2例(8%)、高血圧は18例(51.4%)と9例(36%)で、いずれも有意差を認めなかった。Panitumumabでは高齢群と非高齢群で比べると、白血球減少は3例(42.8%)と4例(66.7%)、貧血は2例(28.6%)と4例(66.7%)、血小板減少はいずれも0例、ざ瘡様皮疹grade1,2は4例(57.1%)と4例(66.7%)で、いずれも有意差を認めなかった。一次治療Bevacizumab/mFOLFOX6療法を施行例では、高齢群と非高齢群で、PFSの中央値は7.6ヶ月、8.7ヶ月(P=0.988)、OSの中央値は20.0ヶ月、19.8ヶ月(P=0.160)でいずれも有意差は認めなかった。【結論】大腸癌における分子標的薬併用化学療法は高齢者においても有害事象は非高齢者と同等であり十分使用可能である。Bevacizumab併用化学療法においてOS、PFSは、非高齢者と同等であり、全身状態の保たれている高齢者においては積極的に使用するべきであると考えられた。
索引用語 分子標的薬, 大腸癌