セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-01:十二指腸原発悪性リンパ腫の胆管浸潤により閉塞性黄疸をきたしたと考えられた1例 |
演者 | 池田 千咲(日本海総合病院 消化器内科) |
共同演者 | 鈴木 義広(日本海総合病院 消化器内科), 青木 政則(日本海総合病院 消化器内科), 折居 智彦(日本海総合病院 消化器内科), 吉田 尚美(日本海総合病院 消化器内科), 菅原 俊樹(日本海総合病院 消化器内科), 早坂 高志(日本海総合病院 消化器内科), 澤田 直也(弘前大学 医学部医学科 消化器血液内科), 菅原 心平(日本海総合病院 消化器内科), 嶋田 奉広(日本海総合病院 消化器内科), 宮澤 弘哲(日本海総合病院 消化器内科), 西塚 麻代(日本海総合病院 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】十二指腸原発悪性リンパ腫は稀であり、さらに閉塞性黄疸を契機に診断されたものは本邦では報告が限られている。今回、我々は閉塞性黄疸を契機に十二指腸原発悪性リンパ腫と診断し化学療法を施行した1例を経験したため、若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】81歳、女性。【現病歴】心窩部重苦感、全身倦怠感が出現したため近医を受診した。血液検査にて貧血と肝機能障害を認めたため、当科紹介受診し精査加療目的に入院となった。【検査所見および経過】血液検査では肝胆道系酵素の上昇、鉄欠乏性貧血を認めたが、白血球分画の異常は認めなかった。可溶性IL-2Rは709 U/mlと高値であった。CT検査では十二指腸下行脚に全周性の壁肥厚を認め、また肝内胆管の拡張を伴っていた。他にリンパ節腫脹や腹水貯留、遠隔転移は認めなかった。MRI拡散強調画像では十二指腸下行脚に広範な高信号域を認め、MRCPでは総胆管下部に狭窄を認めた。主膵管の拡張像は認めなかった。上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に潰瘍を伴う全周性腫瘍性病変を認め、スコープ通過は不能で乳頭部の確認は困難であった。腫瘍生検結果より悪性リンパ腫diffuse large B-cell lymphoma(DLBCL)と診断された。また閉塞性黄疸に対しては、経皮経肝胆道ドレナージ術を施行し減黄を図った。胆汁細胞診にて悪性リンパ腫が疑われたため、本症例は十二指腸原発悪性リンパ腫の胆管浸潤により閉塞性黄疸をきたしたと考えられた。以上の検査結果よりLugano国際分類ではstage IIEに分類された。高齢であることも考慮しR-CHOP療法を施行し、現在のところ病変の縮小および胆管狭窄の改善傾向を認めている。【結語】閉塞性黄疸の原因として悪性リンパ腫は稀な疾患ではあるが、鑑別すべき疾患の一つとして念頭に入れておく必要があると考えられた。また腹部原発悪性腫瘍による閉塞性黄疸では多くの場合、手術が第一選択となるが、B細胞性悪性リンパ腫の場合には化学療法が奏効することも多く、有効な治療法の一つと考えられた。 |
索引用語 | 閉塞性黄疸, 十二指腸原発悪性リンパ腫 |