セッション情報 一般演題

タイトル O-09:

上行結腸の虚血性腸炎に起因すると考えられた門脈ガス血症の1例

演者 高山 歳三(東北公済病院 消化器内科)
共同演者 大歳 晃平(東北公済病院 消化器内科), 千葉 真美(東北公済病院 消化器内科), 高橋 里実(東北公済病院 消化器内科), 千葉 雅樹(東北公済病院 消化器内科), 伊藤 薫(東北公済病院 消化器内科), 宮崎 豊(東北公済病院 消化器内科), 小針 瑞男(東北公済病院 消化器内科), 和田 直文(東北公済病院 消化器外科), 植田 治昌(東北公済病院 消化器外科), 実方 一典(東北公済病院 消化器外科)
抄録 【症例】72歳、女性【主訴】腹痛【現病歴】平成25年4月に当院耳鼻科にて術後性上顎嚢胞に対し全身麻酔下で手術施行し、術当日より食事を再開した。翌日、排便時に腹圧をかけたところ、下腹部に激痛が出現したため同日当科を紹介された。【発症時現症】身長151.9cm、体重58.4kg、体温36.8℃、血圧72/50mmHg、脈拍90/分、腹部平坦、軟、下腹部に持続性の鈍痛を自覚、腹膜刺激症状なし。【発症時検査所見】血液検査:白血球13200/mm3、CRP1.0mg/dlと軽度上昇、Amy48mg/dl、CPK32mg/dl、LDH185mg/dl、肝機能、腎機能に異常を認めなかった。血液ガス:(room air)pH7.41、pCO242mmHg、pO259mmHg、BE2mmol/l。腹部X線:小腸と大腸ガス像を認めた。腹部超音波:肝にairと思われるhigh echo spotが広がっていた。腹部CT:肝辺縁までに達するair-densityの樹枝状陰影を認め、上行結腸近傍の腸間膜内にair-density像を認めた。【経過】全身状態安定し、自覚症状消失、各種検査にて腸管壊死徴候を認めなかった為、絶食、抗菌薬投与とした。第9病日の造影CTでは、肝内のair-density像は消失し、上行結腸に全周性の壁肥厚を認めた。第15病日に行った下部内視鏡検査では、上行結腸に虚血性変化が疑われる縦走潰瘍、及び盲腸に2型腫瘍を認め、生検により盲腸癌と診断された。下部内視鏡後、経口摂取を開始したが特に異常は認めず、第35病日に右半結腸切除術を行った。病理結果では、上行結腸の大腸粘膜表層側での陰窩上皮の委縮と、粘膜の菲薄化がみられ虚血性変化と考えられた。盲腸癌はStageIIであり、上行結腸の病変との連続性はなかった。【考察】本症例は、上行結腸の粘膜損傷、虚血性変化により発症した門脈ガス血症であった推察する。従来の報告通り、門脈ガス血症は、腹膜刺激症状、消化管壊死徴候がなければ、保存的治療ができると考える。
索引用語 門脈ガス血症, 虚血性腸炎