セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-22:大腸癌化学療法施行後に発症したde novo B型肝炎の1例 |
演者 | 大友 泰裕(東北公済病院内科) |
共同演者 | 高山 歳三(東北公済病院内科), 大歳 晃平(東北公済病院内科), 千葉 真美(東北公済病院内科), 千葉 雅樹(東北公済病院内科), 高橋 里実(東北公済病院内科), 伊藤 薫(東北公済病院内科), 宮崎 豊(東北公済病院内科), 小針 瑞男(東北公済病院内科), 和田 直文(同外科), 植田 治昌(同外科), 実方 一典(同外科) |
抄録 | 大腸癌化学療法施行後に発症したde novo B型肝炎の1例【症例】61歳、男性。【既往歴】前立腺癌にて平成23年8月よりカソデックス80mg1錠、デカドロン0.5mg1錠内服およびゾラデックス10.8mg皮下注射(3ヶ月毎)で治療を行っていた。【現病歴】平成24年6月腹痛を主訴に当科受診し、直腸癌、腸重積と診断され緊急手術(腸重積整復術、S状結腸切除術、人工肛門増設術)を行った。術前の血液検査ではHBsAgは0.01IU/mlと陰性であった。直腸癌は(Rb、Ra)で251リンパ節に腫大がみられため2期的な手術が必要と判断された。7月下旬よりmFOLFOX6を1コース、mFOLFOX6-bevasizumabを3コース施行した(最終投与は4コース)。CTで局所腫瘍、リンパ節縮小みられ、10月直腸癌で腹会陰式直腸切断術施行(RbRa、Type2型、50×50mm、muc>tub2、INFb、pStage3a)。術後9病日目骨盤死腔炎疑われ抗生剤で治療を開始。術後20病日骨盤死腔切開排膿ドレナージ術を施行。術後も抗生剤治療を行い次第に炎症反応陰性化した。54病日目(最終化学療法後より102病日目)、自覚症状はなかったが血液検査でT.bil0.7mg/dl、AST568、ALT939と肝機能の急激な上昇みられ、同日追加で行った検査でHBsAg(+)0.15IU/ml、HBsAb(+)、HBeAg1.13S/CO、HBeAb78%、HBcAb6.59S/CO、IgM-HBcAb4.77S/CO、HBV-DNA3.0logコピー/mlとB型肝炎ウイルスマーカーの上昇がみられた。【経過】de novo B型肝炎と診断してエンテカビル0.5mの内服とSNMC100ml静脈注射で肝機能は速やかに改善し第73病日には正常化し、HBsAg、HBV-DNAは陰性化した。【結語】大腸癌化学療法施行により発症したと考えられるde novo B型肝炎を経験した。固形癌においても化学療法後にde novo B型肝炎を発症する危険性があり、ガイドラインの順守が必要と考えられる。 |
索引用語 | de novo B型肝炎, 大腸癌化学療法 |