セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-71:大量の吐下血を契機に診断した二次性大動脈十二指腸瘻の1例 |
演者 | 吉田 はるか(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科DELIMITER国立病院機構八戸病院) |
共同演者 | 野口 謙治(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科), 杉村 美華子(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科), 阿子島 裕倫(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科), 岩渕 正広(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科), 木村 憲治(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科), 田邊 暢一(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科), 真野 浩(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科), 鵜飼 克明(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科), 田所 慶一(国立病院機構仙台医療センター 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】大動脈腸管瘻は大動脈と腸管の間に直接交通を生じるまれな疾患である。動脈硬化性大動脈瘤、感染等が原因で生じる一次性と、人工血管置換術後に生じる二次性に分類され、解剖学的位置関係から十二指腸水平脚部に瘻孔形成することが多いとされる。今回われわれは、大量の吐下血による出血性ショックを契機に診断した二次性大動脈十二指腸瘻の1例を報告する。【症例】81歳女性 【主訴】吐下血、腹痛 【既往歴】61歳腹部大動脈瘤手術、高血圧症、81歳 尿道カルンケル摘出術【現病歴】平成25年7月下旬排便後の急な吐下血、その後腹痛を訴えたため、当院へ救急搬送された。搬送中にも多量の吐血を認めた。【来院時身体所見】全身蒼白、四肢冷感あり。臍周囲に圧痛あり。血圧69/24mmHg、脈拍104bpm。【血液検査所見】Hb 6.1g/dl、PT 89%、D-dimer 109.0μg/ml、BUN 17mg/dl, Cr 0.89mg/dl、CRP 0.1mg/dl。【CT所見】動脈石灰化を広範に認めた。腎動脈以遠にY-graftが挿入されており、Y-graft近位側は十二指腸水平脚と広範に癒着していた。また吻合部に仮性動脈瘤が形成されており、同部から十二指腸水平脚内腔への造影剤のextravasationを認めた。腸管はやや高吸収の内容液により著明に拡張しており、大量の消化管出血をきたしていると考えられた。【経過】大動脈十二指腸瘻による上下部消化管出血、出血性ショックと診断した。大量補液や昇圧剤を用いたが、来院後も多量の鮮血吐血を認め血圧のコントロールがつかず、緊急手術は施行困難であった。来院から30分後には瞳孔散大、自発呼吸は停止し、約1時間後に死亡確認した。【考察】本症例は人工血管置換術後に形成された仮性動脈瘤が機械的刺激により十二指腸に癒着し瘻孔が生じたものと考えられた。【結語】大動脈腸管瘻はまれな疾患であるが、予後不良であることから消化管出血の鑑別疾患として重要である。特に人工血管置換術施行例に消化管出血を認めた際には本疾患も念頭に入れ、造影CTを用いて早期に出血源検索を行うことが重要と考えられた。 |
索引用語 | 大動脈腸管瘻, 消化管出血 |