セッション情報 | シンポジウム1「高齢者消化管癌診療の適正化と工夫」 |
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タイトル | S1-06:当院における高齢者の大腸内視鏡検査及び内視鏡治療の現状と適正化への課題 |
演者 | 相澤 宏樹(宮城県立がんセンター 消化器科) |
共同演者 | 内海 潔(宮城県立がんセンター 消化器科), 塚本 啓祐(宮城県立がんセンター 消化器科), 及川 智之(宮城県立がんセンター 消化器科), 虻江 誠(宮城県立がんセンター 消化器科), 野口 哲也(宮城県立がんセンター 消化器科), 鈴木 眞一(宮城県立がんセンター 消化器科), 鈴木 雅貴(宮城県立がんセンター 消化器科), 小野寺 博義(宮城県立がんセンター 消化器科) |
抄録 | 【背景】本邦では高齢化の進行によって、高齢者に大腸内視鏡検査及び治療を行う機会が増加している。一方、65歳以上を高齢者とするWHOの定義や、本邦の後期高齢者医療制度は75歳以上を主な対象としているが、75歳以上を一概に相当な御高齢と断ずるのも難しいのが臨床現場の実情と思われる。当院では80歳を境界にして内視鏡の際の前投薬や、周術期リスク評価の項目を峻別している事から、80歳以上の患者の大腸内視鏡検査及び内視鏡治療の現状について検討する事とした。【目的】当院における80歳以上の大腸内視鏡検査及び内視鏡治療をうけた患者の現状と適正化可能な問題について検討する。【方法】当科で2012年11月1日から2013年10月31日までの1年間に満80歳以上の患者に行った大腸内視鏡検査及び内視鏡治療において年齢・性別・診断の結果・治療の結果・他臓器がんの有無・有害事象の有無・次回フォローアップ内視鏡迄の期間等の項目等の項目について検討を行う。【結果】観察期間内に大腸内視鏡を受けたのは延べ2155人で、うち218人(10.12%)が80歳以上であった。内視鏡治療を受けたのは296人で、うち17人(5.74%)が80歳以上であった。治療病変数の平均は1.53個と少なめであった。抗血栓薬の内服者は4人でアスピリン内服のまま治療を行ったのは1例であった。当センターの特性上、他臓器癌及び大腸癌の既往及び併存例も多かった。治療後のフォローアップ間隔は1例を除き1年後としており、他の年齢層とほぼ変わらなかった。【結論】満80歳以上の高齢者においては内視鏡検査の受検者に比して治療を受けた患者数が少ない傾向にあった。これは他臓器疾患の併存も影響しているものと考えられたが、内視鏡的に明らかに腺腫でありサイズもさほど大きくない病変を切除する意義は今後検討すべきと思われた。フォローアップの間隔については、治療後のフォローアップは1年後で妥当と思われるが、観察で小ポリープのみであった場合などは間隔を広めにすることが患者の負担軽減につながる可能性も考えられた。 |
索引用語 | 大腸内視鏡, 高齢者 |