セッション情報 シンポジウム1「高齢者消化管癌診療の適正化と工夫」

タイトル S1-03:

高齢者早期胃癌患者に対する内視鏡的切除術の検討

演者 野口 謙治(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科)
共同演者 菊池 弘樹(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 山尾 陽子(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 塩塚 かおり(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 杉村 美華子(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 阿子島 裕倫(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 岩渕 正広(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 鵜飼 克明(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 田所 慶一(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科)
抄録 【目的】これまで当院において内視鏡的切除術を行った早期胃癌症例をもとに、高齢者に対する治療が適正に行われているかを検討した。【対象】5年以上の経過をみるために2004年1月から2008年11月までに内視鏡的切除術を行った150例を対象とした。これらの内、74歳以下の症例(A群;99例)と75歳以上の症例(B群;51例)を臨床病理学的に比較検討した。【結果】2群間(A群:B群)で比較したところ、男女比(6.6:2.2)で有意差を認めたが(p<0.01)、治療法(ESD/EMR 84/15:43/8)、組織型(分化型/未分化型 98/1:50/1)、深達度(m/sm1/sm2 85/9/5:43/3/5)、病変径(中央値 15mm:20mm)、治療適応(ガイドライン病変/適応拡大/適応外 66/21/12:27/18/6)に有意差は見られなかった。適応外症例はほとんどの症例で追加外科手術が行われた。経過観察中の予後についても両群間で有意差は見られなかった。高齢者は病変径が大きく、深達度が深い傾向が見られたが有意差は認めなかった。胃癌ガイドラインに準じて治療を行うことで高齢者であっても十分な生存期間が保たれると思われた。【結語】当院で内視鏡切除術を行った早期胃癌症例は、非高齢者と同等の治療効果と予後が得られ、適正に行われていると思われた。
索引用語 早期胃癌, 高齢者