セッション情報 | シンポジウム2「高齢者肝胆膵疾患に対する診療の工夫」 |
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タイトル | S2-02:当院における高齢者のHBV、HCV感染状況 |
演者 | 城戸 治(岩手県立中央病院消化器内科) |
共同演者 | 阿部 康弘(岩手県立中央病院消化器内科), 大方 英樹(岩手県立中央病院消化器内科), 松本 信(岩手県立中央病院消化器内科), 横山 直信(岩手県立中央病院消化器内科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院消化器内科), 三浦 真奈美(岩手県立中央病院内視鏡科), 天野 良彦(岩手県立中央病院内視鏡科), 小原 範之(岩手県立中央病院消化器内科), 村上 晶彦(岩手県立中央病院内視鏡科), 池端 敦(岩手県立中央病院消化器内科) |
抄録 | 【目的方法】近年、HBVに対しては抗ウイルス薬が登場しコントロールが可能となってきており、HCVに関しては新規薬剤開発により高率に、かつある程度高齢であってもウイルス排除が可能となってきている。今後の課題の一つとして、肝炎ウイルス未検査の集団に対する周知とともに、以前に肝炎ウイルス感染の可能性の指摘あるも現時点で通院のない集団の把握があげられる。当院では院内肝炎ウイルス検査の調査追跡を行っておりそのデータを用いて高齢者での感染状況を確認した。【結果】H24.12月からH25.8月までに当院にてHBsAg検査を受けた患者13165人中、陽性は273人(2.1%)、新規指摘もしくは以前指摘あるも定期通院のない患者(以後新規とする)は82人(0.61%)、HCVAb検査に関してはそれぞれ12983人、322人(2.5%)、121人(0.94%)であった。65歳以上の高齢者ではHBsAg陽性は115人(陽性者全体の42%)、新規50人(新規陽性者の61%)、HCVAb陽性210人(陽性者全体の69%)、新規89人(新規陽性者の74%)であった。ウイルス量が確認できた65歳以上患者ではHBVDNA陽性は23人中21人(91%)、HCVRNA陽性は45人中10人(22%)であった。65歳以上で肝細胞癌を2人(ともにHCVAb陽性、上部消化管出血症例、急性心筋梗塞症例)で認めた。【考察】通院患者であること、観血的手技等に伴う感染症検査が多く含まれ限定された対象であることなど、前提として偏りのあるデータである。新規ではHBVは年齢に関わりなく分布しHCVでは高齢者が多い結果であった。今後インターフェロン治療の対象となりえる年齢でのHCVRNA陽性者は65歳以上70歳未満4人、70歳以上75歳未満2人であり、院内全体の調査を行うことでHCVに関してはウイルス排除に寄与しえる可能性があると考えられた。高齢者は合併症のある症例が多く一概には治療に結びついていないのが問題点と考えられた。追跡調査にて肝細胞癌が認められた症例も少数例ながら存在し注意が必要と考えられた。【結語】高齢者であっても丹念に感染症の確認を行うことで治療対象の拾い上げが可能である |
索引用語 | 肝炎ウイルス, 感染 |