セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-28:難治性潰瘍性大腸炎に対するTacrolimus投与終了後における再燃予測因子の検討 |
演者 | 内藤 健夫(東北大学 医学部 消化器内科) |
共同演者 | 黒羽 正剛(東北大学 医学部 消化器内科), 小野寺 基之(東北大学 医学部 消化器内科), 日下 順(東北大学 医学部 消化器内科), 川上 瑶子(東北大学 医学部 消化器内科), 只野 敏浩(東北大学 医学部 消化器内科), 平本 圭一郎(東北大学 医学部 消化器内科), 奈良 志博(東北大学 医学部 消化器内科), 松下 勝則(東北大学 医学部 消化器内科), 宮澤 輝子(東北大学 医学部 消化器内科), 下平 陽介(東北大学 医学部 消化器内科), 志賀 永嗣(東北大学 医学部 消化器内科), 遠藤 克哉(東北大学 医学部 消化器内科), 木内 喜孝(東北大学 保健管理センター), 下瀬川 徹(東北大学 医学部 消化器内科) |
抄録 | [背景]2009年に保険適応となって以来、Tacrolimus(Tac)は難治性の潰瘍性大腸炎(UC)に対する寛解導入において広く利用されている。しかしながら維持効果についてはエビデンスがなく、現行の保険診療では原則3カ月までの投与となっている。その為チオプリン製剤へのbridging therapy(BT)が必要となるが、投与終了後に再燃する症例も多く、再燃の予測因子ついても明らかになっていない。[目的]当院での難治性UCに対するTacの治療成績、投与終了後の再燃の現状を検討し、Tac中止による再燃の予測因子を抽出する。[対象と方法]当院でTacにより寛解導入された難治性UC患者37名のうち、寛解導入を達成した16名を対象とした。当院ではTacは原則3カ月で中止とし、中止1-2ヶ月前にチオプリン製剤を導入している。寛解の定義はSutherland index(DAI)<3、Rachmilewitz indexのEndoscopic index(EI)≦4として、retrospectiveに検討した。Tac終了後再燃の定義は中止3ヶ月以内に再燃した症例とした。【結果】Tacにより寛解導入したUC37例のうち26例(70%)が有効、11例(30%)は無効であった。有効26 例のうち7例(26。9%)がTac内服中(3ヶ月以内)に再燃した。Tac内服3ヶ月後、16例(61。5%)が臨床的、内視鏡的寛解であった。3ヶ月間寛解状態であった16症例のうち、中止による再燃が8例、非再燃が8例であった。再燃群、非再燃群の患者背景因子は平均年齢(28.9±11.8:37.3±11.6)、男女比(4/4:4/4)、平均罹患期間(3.83±3.18:8.67±3.18)、投与前平均DAI(8±1.15:8.14±1.86)、投与前平均EI (8.14±0.37:7.42±2.29)であり、統計学的な有意差はなかったが比較的若年者で罹患期間が短い症例が再燃する傾向があった。【結論】 Tacにより寛解導入された難治性UCは臨床的、内視鏡的寛解症例においても約半数(50%)が再燃するという結果であった。特に若年者、罹患期間が短い症例は再燃リスクが高い傾向であり、Tac長期内服を含めた維持療法の確立が望まれる。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, タクロリムス |