セッション情報 シンポジウム2「高齢者肝胆膵疾患に対する診療の工夫」

タイトル S2-09:

高齢者の総胆管結石の内視鏡的治療の工夫

演者 亀井 將人(岩手医科大学 内科学講座 消化器内科消化管分野)
共同演者 柴田 將(岩手医科大学 内科学講座 消化器内科消化管分野), 松田 望(岩手医科大学 内科学講座 消化器内科消化管分野), 小穴 修平(岩手医科大学 内科学講座 消化器内科消化管分野), 松本 主之(岩手医科大学 内科学講座 消化器内科消化管分野)
抄録 【目的】近年の高齢化社会に伴い高齢者の総胆管結石の治療機会も増加している。当院では2007年10月~2010年9月までに197例の総胆管結石を治療し、高齢者群、非高齢者群に分け比較検討をした。高齢者群の特徴として、基礎疾患の保有率、抗血小板、抗凝固薬の服用率が優位に高く、特に後期高齢者群では、巨大結石、積み上げ結石の保有率が高かった。そのため二期的切石術の施行率が高いことが分かった。また後期高齢者群では術後の肺炎を3例経験した。以上から高齢者の総胆管結石治療の工夫とし当院では、特に後期高齢者に対しEPLBDを積極的に導入している。処置回数の減少、処置時間短縮による肺炎の予防にEPLBDは有効か検討する。【方法】A群:2007年10月~2010年9月までに総胆管結石治療目的に入院した後期高齢者群82例と、B群:2010年10月~2012年12月まで入院した41例を比較検討する。B群では巨大結石、積み上げ結石例に対しEPLBDを11例施行した。後期高齢者群全体の一期的切石率、術後合併症について検討する。【結果】A群:年齢75-91、B群年齢:76-95歳、男女比A群46:36、B群24:17、一期的切石率A群81.7%:67/82、B群80.5%:33/41と差を認めなかった。術後合併症:A群9.8%:8/82(膵炎4例、穿孔1例、肺炎3例)、B群4.9%:2/41(膵炎2例)と術後合併症は減少傾向にあり、術後の肺炎はB群では0例であり、EPLBDの有効性が示唆される結果となった。【結論】EPLBDは後期高齢者において安全に施行でき、後期高齢者に特徴的な術後肺炎を減少する可能性が示唆された。
索引用語 総胆管結石, 高齢者