セッション情報 特別企画 後期研修医(卒後3-6年迄)

タイトル O-68:

十二指腸病変を認めた成人発症Schonlein-Henoch紫斑病の1例

演者 佐竹 美和(弘前市立病院 内科)
共同演者 櫻庭 裕丈(弘前大学医学部附属病院 消化器血液膠原病内科), 飯野 勢(弘前市立病院 内科DELIMITER弘前大学医学部附属病院 消化器血液膠原病内科), 相原 智之(弘前市立病院 内科), 平賀 寛人(弘前大学医学部附属病院 消化器血液膠原病内科), 山形 亮(弘前市立病院 内科), 坂本 十一(弘前市立病院 内科), 東野 博(弘前市立病院 内科), 福田 眞作(弘前大学医学部附属病院 消化器血液膠原病内科)
抄録 【症例】38歳女性. 既往歴;特記事項なし. 家族歴;皮膚筋炎(妹), 関節リウマチ(祖母).【主訴】皮疹, 関節痛, 発熱, 心窩部痛 【現病歴】咽頭痛に続く下腿伸側の紅斑と関節痛を主訴に受診.感染症に伴う関節痛と中毒疹として対症療法にて経過観察中の第7病日に心窩部の疝痛発作が出現.上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に浮腫を伴う発赤, びらんを認め, CTで回腸末端に浮腫状粘膜肥厚を認めた.症状, 画像所見よりShonlein-Henoch紫斑病(HSP)が疑われた.【経過】皮膚生検施行,病理組織学的に白血球破砕性血管炎を認め,臨床所見と合わせてHSPと診断.扁桃腫大とASK高値あり,咽頭痛もあったことから扁桃腺炎の先行を考慮し抗菌薬投与.ステロイドの投与なく2週程で症状は軽快に向かった.【考察】HSPは, 毛細血管~細動脈の血管炎に起因し, 皮膚・腹部・関節症状と腎障害を主な兆候とする疾患である. 腹部症状の頻度は高く, 特に腹痛が多い. 十二指腸病変は比較的頻度が高く第2部~第4部に好発し, 浮腫を伴い多発する潰瘍性病変を来すことが多い.また上気道炎での発症,増悪などがあり扁桃病巣疾患とも言われている.紫斑を認め, 腹部の疝痛や血便などの消化器症状を伴う際にはHSPも鑑別疾患として念頭におく必要がある.また先行する扁桃腺炎も診断に重要であると考えられた.
索引用語 紫斑病, 十二指腸病変