セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-66:腹痛発作を反復し形態変化もみられた胃前庭部異所性膵の一例 |
演者 | 半田 朋子(東北労災病院 胃腸科) |
共同演者 | 大原 秀一(東北労災病院 胃腸科), 祢津 寧子(東北労災病院 胃腸科), 玉渕 泰史(東北労災病院 胃腸科), 楠瀬 寛顕(東北労災病院 胃腸科), 仲程 純(東北労災病院 胃腸科), 齋藤 晃弘(東北労災病院 胃腸科), 齋藤 大輔(東北労災病院 胃腸科), 北川 靖(東北労災病院 胃腸科), 小島 康弘(東北労災病院 胃腸科), 前川 浩樹(東北労災病院 胃腸科), 濱田 史朗(東北労災病院 胃腸科), 安本 明浩(東北労災病院 外科), 野村 良平(東北労災病院 外科) |
抄録 | 【症例】64歳 女性【主訴】上腹部痛【既往歴】18歳:気管支喘息 28歳:帝王切開 53歳:好酸球性肺炎(PSL5mg内服)骨粗鬆症【現病歴】平成23年10月24日上腹部痛、嘔気を認め近医より紹介受診、上部内視鏡、造影CTにて胃前庭部前壁に前庭部を占める5cm大の粘膜下腫瘤(以下SMT)と、採血上WBC 13200、CRP 43.61の炎症所見を認め、同部への感染が考えられCMZ投与にて軽快した。その後、平成24年1月、7月のEGD再検ではSMTは縮小していた。8月にも同様の症状、炎症所見を認め抗生剤内服にて軽快した。11月22日再度上腹部痛、嘔気、発熱を認め受診、WBC 22600、CRP 11.38と炎症所見を認め、再燃が疑われ入院した。【入院時現症】身長156cm、体重60.5kg、血圧111/70mmHg、脈拍数85/分、体温37.9℃、上腹部に圧痛、平坦・軟、腹膜刺激症状はなし、腸雑音はやや減弱【入院時検査所見】WBC 22600/μl、CRP 11.38mg/dlと炎症所見を認めた。上部内視鏡では胃角部から胃前庭部前壁に前庭部全体を占めるような緊満する大きなSMTを認めた。腹部造影CTでは胃前庭部壁内に7cm大のLDAを認めた。【経過】内視鏡所見や臨床経過からは異所性膵、胃重複症などが原因の反復する腹痛が考えられた。入院時より絶食とし、CMZ 2g/日投与開始。上腹部痛、炎症所見は軽快し一時退院したが、今後も再燃が予想され、12月18日幽門側胃切除を施行した。【手術・病理所見】胃前庭部にSMTを認め、同部の穿刺内容液はアミラーゼ 20069と高値であった。粘膜下組織から漿膜下組織にかけて炎症性細胞の浸潤を伴う不整な形状で広がる線維化と、その線維化の中に膵腺房組織と膵管枝を認め、異所性膵の膵炎の所見を認めた。ランゲルハンス島は認めず、Heinrich2型の異所性膵と考えられた。【考察】炎症を繰り返した胃前庭部の異所性膵の一例を経験したので文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 異所性膵, 胃粘膜下腫瘍 |