セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-62:特異的な浸潤形式を示した通常型膵管癌の一例 |
演者 | 塚本 啓祐(宮城県立がんセンター 消化器科) |
共同演者 | 鈴木 雅貴(宮城県立がんセンター 消化器科), 虻江 誠(宮城県立がんセンター 消化器科), 相澤 宏樹(宮城県立がんセンター 消化器科), 及川 智之(宮城県立がんセンター 消化器科), 内海 潔(宮城県立がんセンター 消化器科), 野口 哲也(宮城県立がんセンター 消化器科), 鈴木 眞一(宮城県立がんセンター 消化器科), 小野寺 博義(宮城県立がんセンター 消化器科), 山本 久仁治(宮城県立がんセンター 消化器外科), 佐藤 郁郎(宮城県立がんセンター 病理診断科), 伊藤 しげみ(宮城県立がんセンター 病理診断科) |
抄録 | 【症例】77歳男性【既往歴】高血圧、糖尿病、慢性心房細動、慢性腎不全【現病歴】大腸癌、胃癌の重複癌及び膵腫瘍にて他院から紹介、術前精査目的に当科入院。【入院時血液学的検査】BUN22.0mg/dl、 Cr1.67mg/dlと軽度腎機能障害を認め、腫瘍マーカーはCEA6.0ng/ml、CA19-9 181U/mlと軽度上昇していた。IgG、IgG4は基準値内で抗核抗体は陰性であった。【腹部X線CT】膵体部に15mmの造影効果に乏しい低吸収像を示す腫瘍と膵実質の委縮を伴う尾側膵管の拡張を認めた。腫瘍の乳頭側には7mmの嚢胞性病変が隣接していた。【MRI】CTとほぼ同様の所見で、MRCPでは頭部膵管から約6cmの狭細化を認めた。拡散強調像では膵全体で高信号を呈していた。【EUS】膵体部に13mmの境界明瞭辺縁やや不整な低エコー腫瘤と隣接する嚢胞性病変を認めた。下部胆管の粘膜は著明に肥厚し内腔は狭窄していた。膵頭部実質は低エコー化を示していたが明らかな腫瘤性病変は認めなかった。【ERCP】膵頭部から体部で約6cmに渡る狭細像を認めた。膵管は体部で狭窄・途絶し、尾側膵管の拡張を認めた。胆管は下部で狭窄していたためステントを留置した。【EUS-FNAB】膵体部腫瘍を穿刺しAdenocarcinomaが検出された。下部胆管狭窄部からの生検/擦過細胞診では悪性細胞を認めなかった。以上より膵体部癌+慢性膵炎またはAIPによる良性胆道狭窄を考えたが、胆管癌や膵頭部悪性病変の可能性を否定できず、膵全摘術を施行した(同時に胃癌、大腸癌の摘出術も施行)。【病理学的所見】well differentiated adenocarcinoma. Pbht 2.3×1.8cm pT4 CH-DU+S-RP-PV-A-PL+OO+ N0M0 int INFβly0v0ne3mpd- 膵体部から頭部にかけて連続性に高度の神経浸潤を呈しながら膵周囲の脂肪織や十二指腸、膵内胆管粘膜へ浸潤していた。AIPでみられるような形質細胞やリンパ球の浸潤、閉塞性静脈炎の所見はなかった。【結語】膵体部病変以外に画像上明らかな所見を呈さず、胆管狭窄を伴う広範囲な側方連続浸潤を認めた膵癌を経験したので報告する。 |
索引用語 | 膵癌, 神経浸潤 |