共同演者 |
藤田 将史(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 林 学(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 岡井 研(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 浅野 智之(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 菅野 有紀子(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 阿部 和道(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 高橋 敦史(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 岩舘 治代(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 小林 弘子(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 渡辺 浩志(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科), 大平 弘正(福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科) |
抄録 |
【症例1】60歳, 男性. 2009年12月に発熱を認め近医で受診. 採血にて肝障害(AST 200 U/l, ALT 134 U/l, ALP 2973 U/l), CRP上昇(6.55 mg/dl), sIL-2R上昇(3031 U/l)を認められた. CTにて腹腔内リンパ節腫大と肝内胆管, 総胆管拡張を認めたため, 胆道系疾患を疑われ, ERCPを施行されたが異常は認めなかった. 2010年2月, 精査目的に当科紹介され入院. 採血で肝障害, CRP上昇を認めたが, ACEは正常, 胸部レントゲンで両側肺門リンパ節腫脹(BHL)を認めず, ツベルクリン反応陰性, 心エコー, 肺機能検査で異常なく, 眼疾患も認めなかった. 血液疾患除外目的に2月18日に骨髄穿刺, 肝障害の精査目的に2月24日に肝生検を施行された. 骨髄生検, 肝生検共に乾酪壊死のない類上皮性肉芽腫を認め, サルコイドーシス(Sar)と診断された【症例2】44歳, 男性. 2013年5月から発熱, 倦怠感が出現し, 近医で投薬にて改善した. 6月から発熱とかすみ目が出現し, 近医にてぶどう膜炎と診断された. 不明熱の精査目的に, 9月9日当科紹介され受診. 採血にて肝障害 (AST 97 U/l, ALT 117 U/l), ACE上昇(31.4 U/l), sIL-2R上昇(718 U/l)を認められた. 胸部レントゲンにてBHLを認めず, Sarが疑われ精査目的に当科入院. ツベルクリン反応陽性, 心エコー, 肺機能検査, 腹部エコー, CT検査で異常なし. Gaシンチにて病的集積を認めなかった. 10月2日に肝生検を施行され, 乾酪壊死のない類上皮性肉芽腫を認めた. 結核を疑う所見はなく, Sarと診断された【考察】肝SarはSar全体の20-30%に認めるが, ほとんどが無症候性であり, 頻度の高い病変(縦隔リンパ節病変, 眼病変, 肺野病変)を認めない場合, 診断に苦慮すると思われる. 剖検では肝SarはSar全体の40-65%に認めるとされており, 肝障害を認め, Sarを疑う場合は, 積極的に肝生検を施行することが重要である【結語】肝生検にて診断し得た肝Sarの2例を経験したので文献的考察を含め報告する. |