セッション情報 一般演題

タイトル O-43:

腸管嚢腫様気腫症の4例

演者 松本 信(岩手県立中央病院 内視鏡科)
共同演者 三浦 真奈美(岩手県立中央病院 内視鏡科), 天野 良彦(岩手県立中央病院 内視鏡科), 村上 晶彦(岩手県立中央病院 内視鏡科), 阿部 康弘(岩手県立中央病院 消化器科), 大方 英樹(岩手県立中央病院 消化器科), 横山 直信(岩手県立中央病院 消化器科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院 消化器科), 小原 範之(岩手県立中央病院 消化器科), 城戸 治(岩手県立中央病院 消化器科), 池端 敦(岩手県立中央病院 消化器科)
抄録 【はじめに】腸管嚢腫様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis:以下PCI)は腸管壁の粘膜下あるいは漿膜下に多数の含気性嚢胞が形成される比較的希な疾患である。PCIは種々の原因で生じるが、腹腔内遊離ガスや門脈ガスを伴う症例もあり、これらの症例では消化管穿孔や腸管壊死の有無の判断が重要である。今回我々は保存的に加療しえたPCI症例4例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】症例は65歳から82歳までの4例。4例中3例は自覚症状がなく、画像検査にて偶然に発見された。3例で腹腔内遊離ガス像、1例で腹水を認めたが門脈ガスを呈する症例はなかった。また、呼吸器疾患2例、α-グルコシダーゼ阻害剤服用3例、ステロイド服用3例、便秘傾向2例とPCIの原因となり得る既往や服用歴を全例で認めた。有機溶剤(トリクロロエチレン)への暴露は認められなかった。身体所見、各種検査から消化管穿孔を除外し原因薬剤の減量・中止、酸素投与等の保存的加療により全例でPCIの改善傾向を認めた。【結論】ステロイド投与、糖尿病、慢性呼吸器疾患等を有する患者に腸管気腫像や腹腔内遊離ガスを認めた場合PCIを念頭に置いて診療を行う必要がある。PCIの病態を認識していれば試験開腹を回避できる可能性がある。
索引用語 腸管気腫, 腸管嚢腫様気腫症