セッション情報 |
特別企画 初期研修医(卒後2年迄)
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タイトル |
W1-09:同時期に家族内発症を認めた自己免疫性肝炎の2例
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演者 |
菅野 悠佳(太田西ノ内病院 消化器内科) |
共同演者 |
今村 秀道(太田西ノ内病院 消化器内科), 草野 昌樹(太田西ノ内病院 消化器内科), 橋本 健明(太田西ノ内病院 消化器内科), 間 浩正(太田西ノ内病院 消化器内科), 迎 慎二(太田西ノ内病院 消化器内科) |
抄録 |
【症例1】20歳代女性。採血で肝酵素の上昇を指摘され、近医で入院。プレドニゾロン(PSL)20mg/dayを投与され、肝酵素が改善傾向となったためPSLを漸減中止して退院したが、上腹部痛が出現し、当院救急外来に搬送された。腹痛は改善傾向であったが、肝酵素の上昇が認められたため当科で入院となった。急性肝炎と診断されたが、薬剤性・アルコール性・ウイルス性は否定的であり、IgGの上昇と抗核抗体陽性から自己免疫性肝炎(AIH)を疑われた。肝生検では、Interface hepatitisと著明なリンパ球浸潤、rosette形成が認められ、AIHに典型的な所見であった。1999年国際自己免疫性肝炎グループのスコアシステム(スコアシステム1)、2008年同グループの簡易版スコアシステム(スコアシステム2)は、それぞれ、23点(確診)、7点(確診)であり、AIHと診断された。PSL40mg/dayの投与が開始され、肝酵素は低下し退院となった。PSLは外来で漸減され、2.5mg/dayの投与で肝酵素の再上昇無く経過している。【症例2】50歳代女性。症例1の母。関節リウマチの既往あり。症例1と同時期の採血で肝酵素の上昇が認められた。HBV・HCV感染は否定的で、抗核抗体陽性からAIHを疑われたが、娘が入院中であったため、外来で加療され、肝生検は施行されなかった。スコアシステム1では18点(確診)、2では6点(疑診:肝生検なし)であり、AIHと診断された。PSL35mg/dayの投与が開始され、肝酵素は低下した。PSLは漸減され、5mg/dayの投与で肝酵素の再上昇無く経過している。【考察・結語】AIHは家族内集積例があり、患者家族は発症のリスクが高い。家族内発症の要因として、免疫応答遺伝子HLAの存在が示唆されているが、本症例では、AIHに特徴的なものではないHLA-DR9のみ両者で陽性であった。また、同時期発症の要因としては、微生物感染に伴う自己免疫誘導の可能性が考慮されたが、明らかな感染は指摘されなかった。同時期に家族内発症が認められたAIHは、医学中央雑誌による検索では1編の報告のみであり、非常に稀な症例と考えられたため報告する。 |
索引用語 |
自己免疫性肝炎, 家族内発症 |