セッション情報 一般演題

タイトル O-52:

診断に苦慮した膵神経内分泌腫瘍の1例

演者 菅原 心平(日本海総合病院 消化器内科)
共同演者 嶋田 奉広(日本海総合病院 消化器内科), 宮澤 弘哲(日本海総合病院 消化器内科), 西塚 麻代(日本海総合病院 消化器内科), 池田 千咲(日本海総合病院 消化器内科), 澤田 直也(日本海総合病院 消化器内科DELIMITER弘前大学医学部医学科 消化器血液内科), 早坂 高志(日本海総合病院 消化器内科), 菅原 俊樹(日本海総合病院 消化器内科), 吉田 尚美(日本海総合病院 消化器内科), 折居 智彦(日本海総合病院 消化器内科), 青木 政則(日本海総合病院 消化器内科), 鈴木 義広(日本海総合病院 消化器内科), 今泉 和臣(今泉クリニック)
抄録 【症例】42歳男性【主訴】左側腹部痛【既往歴】特記事項なし【家族歴】特記事項なし【生活歴】飲酒:焼酎500ml/毎日 23年間【現病歴】平成24年10月,左側腹部痛を自覚,増悪するために当科受診.【現症】BP 146/86 mmHg, HR 74 bpm, 体温 36.8℃. 腹部 平坦・軟.左側腹部に圧痛あり.反跳痛なし.歩行で疼痛の増悪あり,胸膝位で軽快.【検査所見】[血液検査]p-Amy 62 IU/l, リパーゼ 47.0 IU/l, CRP 1.97 mg/dl, WBC 5540 /μl[CT]膵尾部に嚢胞性病変あり,膵尾側に造影不良域を認める.前腎傍腔までfluid collectionあり.脾静脈は同定できず.[EUS]膵実質は粗造,膵尾部に37mmの内部均一な嚢胞性病変あり.膵管との交通は明らかではない.【経過】慢性膵炎急性増悪,膵仮性嚢胞と診断.保存的加療で症状,炎症所見は軽快したため退院した.5日後に左側腹部痛の再燃あり,第2回入院となった.保存的に加療したが,第6病日に発熱,CRPの上昇,CTにて嚢胞の増大傾向と炎症所見の増悪認めたためERCP施行.頭体部膵管に狭窄なく,膵管は尾側で途絶しており,嚢胞内への交通は認めなかった.その後,炎症所見,臨床症状は自然軽快し退院した.外来経過観察していたが,平成25年1月に再度症状の再燃あり,第3回入院となった.頻回に再燃を繰り返しており,経過中嚢胞径の緩徐な増大傾向を呈し,膵尾部腫瘍の可能性も考え,外科的手術の方針となった.平成25年2月,当院外科にて膵尾部切除術及び脾臓摘出術を施行した.【病理】Neuroendocrine tumor G1, pseudocyst, pancreas. DP, Pt, TS1(1.4×1.3cm), 浸潤型, well differentiated endocrine neoplasm, medullary type, INFβ, ly0, v0, ne0, mpd(-), pT3, pS(+), pRP(-), pPCM(-), pDPM(-)【結語】画像上腫瘍として捉えることができず病理学的に診断しえた,膵神経内分泌腫瘍を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 膵神経内分泌腫瘍, 仮性嚢胞