セッション情報 | シンポジウム2「高齢者肝胆膵疾患に対する診療の工夫」 |
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タイトル | S2-05:高齢者急性胆嚢炎に対する当院における保存的治療の現況 |
演者 | 大沼 勝(みやぎ県南中核病院 消化器内科) |
共同演者 | 三浦 雅人(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 高橋 貴一(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 玉川 空樹(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 油井 理恵子(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 洞口 愛(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 阿曽沼 祥(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 梅村 賢(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 飯岡 佳彦(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 高橋 道長(みやぎ県南中核病院 消化器外科), 内藤 広郎(みやぎ県南中核病院 消化器外科) |
抄録 | 【はじめに】診療ガイドラインでは早期腹腔鏡下胆嚢摘出術が推奨されているが、基礎疾患などにより全身状態不良な高齢者には保存的加療が施行されることが多い。当施設における過去4年間の高齢者急性胆嚢炎入院例の治療方法を検討した。【対象と方法】2009年4月より2013年3月までに診療ガイドライン上確診が得られた急性胆嚢炎入院例は224例でこのうち80歳以上の70例(31.3%)[80~103歳]について検討した。【結果】70例中33例(47.1%)に手術が施行され、37例(53.9%)には保存的加療[PTGBD17例、抗生剤単独20例]がなされている。重症度分類を行うと軽症30例、中等症32例、重症8例で、うち重症例3例が死亡退院しているが、これらはいずれも保存的治療例で早期診断、早期治療に至らなかった症例であった。保存的加療例を重症度分類するとPTGBD施行17例では軽症6例、中等症6例、重症5例で、うち14例は入院後48時間以内にPTGBDが施行されかつ合併症は認めなかった。抗生剤単独20例では軽症14例、中等症4例、重症2例と軽症が多かった。次に保存的加療37例中25例(67.6%)で初期投与抗菌薬としてスルバクタム/セフォペラゾンが使用されていたため当院における急性胆道炎症例の胆汁分離菌の割合とアンチバイオグラムについて検討した。分離菌はE.coli(17%)、Klebsiella群(18%)、Enterobacter群(8%)とこれらが43%を占め、スルバクタム/セフォペラゾンのこれらの菌に対する感受性は90~100%と良好であった。【結語】高齢者急性胆嚢炎症例は保存的加療が行われることが多く、初期投与薬の選択は重要である。当院では、胆汁培養分離菌の割合、アンチバイオグラムの結果からスルバクタム/セフォペラゾンは、初期投与薬の一つとして妥当であると考えられた。さらに死亡例3例中、2例はドレナージ施行に至らず、もう1例も2W以上経過してから施行されていた。特に高齢者では、早期診断し重症度判定を行い早期に適切な処置を行うことが大切であると思われた。 |
索引用語 | 急性胆嚢炎, 高齢者 |