セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 086:

当院における胃腺腫の検討

演者 皆川 武慶(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科)
共同演者 住吉 徹哉(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科), 横山 啓介(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科), 早坂 尚貴(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科), 藤井 亮爾(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科), 土井 綾子(同 腫瘍内科), 木村 朋広(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科), 上田 美和(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科), 庵原 秀之(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科), 辻 靖(同 腫瘍内科), 由崎 直人(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科), 平山 眞章(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科DELIMITER同 腫瘍内科), 近藤 仁(KKR札幌医療センター斗南病院 消化器内科)
抄録 【目的】胃腺腫の取り扱いについては一定のコンセンサスはなく、施設により異なるのが現状である。今回、我々は生検で胃腺腫と診断された病変をretrospectiveに解析し、その臨床的取り扱いについて検討を行ったので報告する。
【対象と方法】2001年1月から2012年5月までの間に当科で上部内視鏡検査を行い、生検にて胃腺腫と診断された症例の内、retrospectiveに解析可能であった529症例668病変を対象としてその臨床病理学的特徴(病変部位、腫瘍径、肉眼型、色調)と臨床的取り扱いの妥当性について検討した。
【結果】胃腺腫668病変の内、経過観察中のものが323病変、内視鏡的切除を施行した病変は345病変であり、また併存する胃癌のため手術を行ったものが7病変であった。経過観察中の腺腫においては現在まで生検を含め内視鏡所見上、変化を認めていないが、内視鏡切除または手術を施行した腺腫のうち、最終的に胃癌と診断された症例は101病変であった。癌と最終診断された病変の内視鏡所見をそれ以外の病変と比較検討すると15mm以上のもの(69.3% vs 50.4%, P=0.0013)、発赤調のもの(49.5% vs 21.3%, P<0.001)、陥凹型のもの(29.7% vs 17.2%, P=0.0094)、組織学的異型度の強いもの(54.8% vs 27.5%, P<0.001)では有意に癌と診断されるものが多く、これらの因子は高危険群と考えられた。
【考察】生検で胃腺腫と診断された場合でも内視鏡所見にて危険因子を有するものは内視鏡的切除を含めた治療の適応と考えるべきである。
索引用語 胃腺腫, 胃癌