セッション情報 一般演題

タイトル 168:

当科で施行した全身麻酔下RFA症例について

演者 河野 豊(札幌医科大学 第4内科)
共同演者 宮西 浩嗣(札幌医科大学 第4内科), 久保 智洋(札幌医科大学 第4内科), 池田 裕貴(札幌医科大学 第4内科), 保木 寿文(札幌医科大学 第4内科), 林 毅(札幌医科大学 第4内科), 佐藤 勉(札幌医科大学 第4内科), 佐藤 康史(札幌医科大学 第4内科), 瀧本 理修(札幌医科大学 第4内科), 小船 雅義(札幌医科大学 第4内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 第4内科), 渡邉 直樹(札幌医科大学 臨床検査医学講座)
抄録 ラジオ波焼灼術(以下RFA)は肝細胞癌の局所治療と広く普及している治療であり,その局所制御率は小結節の場合外科的治療とほぼ同等と言われている.一方,RFAにおいて高齢者の場合に術前の超音波検査で息止めが不良なため安全な穿刺ができない可能性や,複数の肝細胞癌の場合に麻酔の程度や癌の局在などによりRFA中の鎮痛・鎮静が不充分になる可能性が想定される.今回当科で施行した全身麻酔下RFA症例について,その有用性を検討した.対象は2012年1月より11月までの間に当科で施行した経皮的ラジオ波焼灼術38症例中全身麻酔下で施行した19結節10症例.内訳は単発の肝細胞癌ではあるが出血リスクによる硬膜外麻酔不可症例が2例,息止めが不充分な症例が1例,多発症例が7例であった.気管挿管による人工呼吸器下管理のもと全身麻酔を導入され,全例とも十分な鎮静・鎮痛のもとRFAが施行された.麻酔覚醒後に疼痛を7例,吐気を1例認めたが,いずれも対症療法で対応可能で,麻酔に関連した重篤な合併症は認めなかった.肝細胞癌はその発症理由から再発することが多いため治療回数が複数になり,その結果治療期間が長くなるにつれて高齢者に治療することがある.今回少ない症例数ながらも高齢者において安全に全身麻酔下でのRFAが施行可能であった.また人工呼吸器管理による肝臓の不動化が比較的長い間可能なため,多発肝細胞癌においても無痛下で安全にRFAが施行できたため報告する.
索引用語 肝細胞癌, 全身麻酔下RFA