セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
181:早期胃癌における斜入撮影法の有用性
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演者 |
武藤 桃太郎(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科) |
共同演者 |
佐々木 貴弘(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 下田 瑞恵(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 石川 千里(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 井上 充貴(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科) |
抄録 |
【はじめに】近年、上部消化管X線検査で、冠動脈造影などに使用されているCアーム式寝台を用いて、角度を変えて撮影する斜入撮影法を取り入れる施設が増えている。患者の体位変換の負担も軽減でき、早期胃癌においても良質な画像が簡単に得られるようになった。【目的】早期胃癌における精密X線検査での、斜入撮影法の有用性を臨床的に検討した。【方法および対象】多方向X線透視撮影装置CアームテーブルSF-VA200(Prius-C)(日立メディコ)でCアームを用いて、管球をcranial~caudal(頭尾側)およびRAO~LAO(左右方向)に回転させて、またこれらを組み合わせて、任意方向から斜入撮影法を行った。対象は2009年10月から2012年11月までの間に施行した精密X線検査32例34病変で全て早期胃癌(M癌20病変、SM1癌1病変、SM2癌13病変)である。これらの病変について、深達度診断に必要な病変の正面像、側面像の描出能を検討し、斜入撮影法が早期胃癌の深達度診断に寄与したかどうかを判定した。【結果】34病変のうち、正面像の描出率は、斜入前で19病変(55.9%)、斜入後で30病変(88.2%)と有意に上昇した(p=0.006)。側面像の描出率は、斜入前で11病変(32.4%)、斜入後で15病変(44.1%)に上昇した(p=0.318)。病変部位別で検討してみると、斜入撮影法が有効であったのは、小弯7/12(58.3%)、大弯4/7(57.1%)、前壁3/7(42.9%)、後壁2/8(25%)と、病変が接線方向になりやすい大弯・小弯病変で有効性が高い傾向であった。斜入撮影法による深達度正診率は、M-SM1癌で17/21(81.0%)、SM2癌8/13(61.5%)であった。【結論】斜入撮影法は、実用性があり、病変をより平面的に正面視あるいは側面視できるため、深達度診断に必要な画像が比較的容易に得られ、早期胃癌の深達度診断に寄与すると考えられた。 |
索引用語 |
早期胃癌, 斜入撮影 |