セッション情報 一般演題

タイトル 082:

リンパ節転移を認めた7mmの回腸NETG2症例

演者 加藤 励(釧路労災病院 内科)
共同演者 石川 麻倫(釧路労災病院 内科), 澤田 憲太郎(釧路労災病院 内科), 笠原 耕平(釧路労災病院 内科), 安孫子 怜史(釧路労災病院 内科), 藤澤 倫子(釧路労災病院 内科), 村中 徹人(釧路労災病院 内科), 梅村 真知子(釧路労災病院 内科), 高坂  琢磨(釧路労災病院 内科), 高橋 一宏(釧路労災病院 内科), 曽我部 進(釧路労災病院 内科), 山本 文泰(釧路労災病院 内科), 小田 寿(釧路労災病院 内科), 宮城島 拓人(釧路労災病院 内科), 河合 朋昭(釧路労災病院 内科), 小笠原 和宏(釧路労災病院 内科), 高橋 達郎(釧路労災病院 内科)
抄録 リンパ節転移を認めた7mmの回腸NETG2症例○加藤励1),石川麻倫1),澤田憲太郎1),笠原耕平1),安孫子怜史1),藤澤倫子1),村中徹人1),梅村真知子1),高坂琢磨1),高橋一宏1),曽我部進1),山本文泰1),小田寿1),宮城島拓人1),河合朋昭2),小笠原和宏2), 高橋達郎3)1)釧路労災病院 内科 2)釧路労災病院 外科3)釧路労災病院 中央検査科 症例は70代男性。2012年6月に、本人の希望により施行した大腸内視鏡検査で、回腸末端に径10mm大のY-2型の隆起性病変を認めた。生検では小腸上皮に異型はなく、粘膜下に小型の核より構成される腺管構造の増成を認めた。免疫組織学的にクロモグラニンA陽性、シナプトフィジン陽性であり、カルチノイド腫瘍の診断として、当院へ紹介となる。内視鏡観察では、中心陥凹を伴う白色調の隆起を認め、表面は正常絨毛上皮であり、粘膜下腫瘍の所見であった。EUSでは第2層に主座を置く、境界明瞭な低エコーの腫瘤として描出され、第3層の圧迫所見を認めた。腹部CTでは所属リンパ節の腫大は認めなかった。回腸カルチノイドT1(m).N0.M0.cStage1(UICC TNM分類 第7版)として、腹腔鏡補助下回盲部切除術を行った。 術後の病理結果では、中型~やや大型の類円形核を有する腫瘍細胞が、腺房状やロゼット状、幅広の索状やシート状構造をとり、粘膜および粘膜下層(粘膜筋板から4.5mm)で増殖を認めた。腫瘍径は7×7mmであったが、脈管侵襲(ly1、v2)で、#201のリンパ節転移(2/14)を認めた。核分裂像2~3/10HPFからNET G2、T1(sm).N1.M0.pStage3Bであった。 本例は偶然に内視鏡的に発見され、カルチノイド(NET)と診断されたが、7mmの腫瘍径で所属リンパ節転移を伴っていた。NETに対する治療を考える上で示唆に富む症例として文献的な考察を加え発表する。
索引用語 NET, 小腸カルチノイド