セッション情報 一般演題

タイトル 093:

抗血小板薬・抗凝固薬内服中の胆石性膵炎例に対する内視鏡治療

演者 権 勉成(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
共同演者 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 潟沼 朗生(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 小山内 学(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 矢根 圭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 金 俊文(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高木 亮(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松本 和幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松森 友昭(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
抄録 【背景と目的】近年、抗血小板薬(AP)・抗凝固薬(AC)内服患者の増加に伴い、胆石性膵炎例に対する早期のEST治療が困難な症例も散見される。当センターではAP・AC内服例では原則ESTは施行せず、胆管・膵管のドレナージを基本としており、今回その治療成績について検討する。【対象と方法】2007年4月から2012年10月までに胆石性膵炎と診断し、入院後24時間以内にERCPを施行した初回乳頭97例中、AP・AC内服中の21例(男女比 8:13、平均年齢76才(47-94)、厚生労働省重症度判定は全例軽症)を対象とした。胆石性膵炎の診断は上腹部痛および血清AMY値・肝胆道系酵素の上昇、もしくは画像上総胆管結石を認めるものと定義した。全例が急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドラインにおける胆管炎の診断基準を満たしていた。【検討項目】1)基礎疾患および内服薬、2)処置内容、3)早期偶発症、4)治療経過とした。【成績】1)基礎疾患は脳梗塞7,心房細動5,虚血性心疾患11(重複含む)であり、内服薬はAP単剤15、AP2剤 4、AP2剤+AC 1、AC単剤 1であった。2)胆管・膵管ドレナージ16(ENBD+EPS 4、ENBD+ENPD 1、EBS+EPS 9、EBS+ENPD 2)、膵管ドレナージ2(EPS 1、ENPD 1)であった。全身状態などの理由により一期的ESTを施行したのは3例であり内訳は結石陥頓1、warfarin拮抗1、その他1であった。3)1例でのみscope挿入時の胃粘膜裂傷を認めたが保存的に軽快した。4)ニ期的にESTを施行したのは12例(67%)であり、平均期間は8日(7-14)であった。ESTを施行しなかったのは6例{3例で結石が無いことを確認(ENBD造影2、IDUS1)、EBS留置のまま退院2、未処置で退院1}であった【結論】抗血小板薬・抗凝固薬内服中の胆石性膵炎に対する内視鏡的胆管・膵管ドレナージは安全で有効な治療法である。
索引用語 胆石膵炎, 抗血小板薬、抗凝固薬