セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 068:遺伝性膵炎の1例 |
演者 | 奥 大樹(JA北海道厚生連 札幌厚生病院 消化器科) |
共同演者 | 宮川 宏之(JA北海道厚生連 札幌厚生病院 消化器科), 長川 達哉(JA北海道厚生連 札幌厚生病院 消化器科), 平山 敦(JA北海道厚生連 札幌厚生病院 消化器科), 岡村 圭也(JA北海道厚生連 札幌厚生病院 消化器科), 北川 翔(JA北海道厚生連 札幌厚生病院 消化器科), 戸板 成昭(同 小児科), 今野 武津子(同 小児科) |
抄録 | 症例は19歳男性。幼少期より腹痛発作を繰り返し、自家中毒と診断されていたが、5歳時に父親が飲酒歴なく膵炎を発症したことから、家族歴を考慮し患者に採血を施行したところ、膵酵素の著明な上昇を認めたため急性膵炎と診断された。症状軽快後に施行したERCPで主膵管の口径不同と内部に少量の蛋白栓を認め、遺伝性膵炎の可能性を疑い東北大学の協力のもと遺伝子検査を施行し、父親と同じPRSS1のR122H遺伝子変異を証明し診断に至った。以後は外来にて経過観察し、急性増悪による入退院を繰り返していた。平成24年各種画像検査にて主膵管に蛋白栓の充満を認めたため内視鏡治療を目的に当院入院となった。入院後は蛋白栓の除去を試みた。遺伝性膵炎は1)同一家系に2世代以上わたって3人以上、2)若年発症、3)飲酒歴が無いことを全て満たすものと定義されており、遺伝子変異としてPRSS1変異、SPINK-1変異が有名であり、特に前者の変異が証明されれば上記の定義を全て満たさなくとも遺伝性膵炎と診断してよいとされている。当院では2家族5例、孤発例として男性2例、女性1例の慢性膵炎遺伝子変異例(内訳:PRSS-1変異3例、SPINK1変異4例、PRSS-1変異とSPINK1変異の重複1例)を経験しており、文献による考察を加え報告する。 |
索引用語 | 遺伝性膵炎, PRSS1変異 |