セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 069:Short type シングルバルーン内視鏡が有用であったIPMN術後膵管空腸吻合部狭窄の1例 |
演者 | 矢根 圭(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
共同演者 | 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 潟沼 朗生(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 小山内 学(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 金 俊文(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高木 亮(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松本 和幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 権 勉成(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松森 友昭(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
抄録 | 症例は50歳代女性。2009年11月に分枝型IPMNに対して膵頭十二指腸切除術(SSPPD-IIA)を施行(最終病理診断:minimal invasive intraductal papillary mucinous carcinoma)し経過観察していたところ、2011年6月(術後19ヶ月)のCTにて残膵主膵管の拡張と主膵管内の淡い高吸収域を認めた。EUSでは吻合部近傍の主膵管内に高さ5mm程度のややエコーレベルの高い隆起を認めた。IPMN術後再発を疑い、精査目的でプロトタイプのShort typeシングルバルーン内視鏡(Short-SBE:SIF-Y0004、有効長152cm、外径9.2mm、鉗子チャンネル径3.2mm、Olympus)を用いてERPを試みた。輸入脚盲端までの到達は可能であったが、膵管空腸吻合部の同定は困難であった。画像からは主膵管内の壁在結節と粘液塊または蛋白栓との鑑別は困難であったが、明らかな浸潤所見に乏しいことから慎重に経過観察の方針とした。その後2012年2月(術後25ヶ月)に精査目的で再入院となる。この際はShort-SBEに先端フード(D-201-10704、Olympus)を装着して盲端と胆管空腸吻合部の間の空腸壁を詳細に観察することで、pinhole様に狭窄した膵管空腸吻合部の同定が可能であった。挿管し造影すると、主膵管内に複数の陰影欠損を認め、EPBDバルーン(Hurrican RX Biliary Balloon Dilatation Catheter、6mm、Boston Scientific)を用いて吻合部を拡張すると、白色の蛋白栓が排出された。ENPDを留置し、後日膵管造影を施行したが、主膵管内に明らかな陰影欠損の残存は認めなかった。IPMN術後再発は否定的と判断し、経過観察継続中である。Short-SBEを用いたERCPは通常の内視鏡でのアプローチが困難な術後膵管空腸吻合部狭窄例に対して有用な方法の一つであり、先端フードを使用するなどの工夫を加えることで手技成功率の向上が期待される。 |
索引用語 | Short-SBE, 膵管空腸吻合部狭窄 |