セッション情報 | シンポジウム2「高齢者における肝胆膵疾患の診断・治療の問題」 |
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タイトル | S2-4:当科における85歳以上の超高齢者に対する内視鏡的総胆管結石治療に関する検討 |
演者 | 中村 英明(北海道消化器科病院 内科) |
共同演者 | 碇 修二(北海道消化器科病院 内科), 堀田 彰一(北海道消化器科病院 内科), 町田 卓郎(北海道消化器科病院 内科), 木下 幸寿(北海道消化器科病院 内科), 藤澤 良樹(北海道消化器科病院 内科), 加藤 貴司(北海道消化器科病院 内科), 佐々木 清貴(北海道消化器科病院 内科), 山田 裕人(北海道消化器科病院 内科), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院 内科), 目黒 高志(北海道消化器科病院 内科) |
抄録 | 【目的】人口高齢化に伴い総胆管結石の内視鏡治療は今後も増加していくと予想される.今回は当院における85歳以上の超高齢者おける内視鏡的総胆管結石治療に関して検討した.【対象】2006年1月から2012年9月までに当科で経験した総胆管結石初発症例で内視鏡的治療を施行した60例(男女比27:33,平均年齢88.9歳,最高齢99歳)における1)初発症状2)併存疾患3)結石の状態4)治療法5)偶発症(Cottonらの報告に準ずる)に関して検討した.【結果】1)腹痛29例(48.3%),発熱18例(30%),嘔吐9例(15%),黄疸7例(11.7%)に認めた.当科受診時すでに化膿性胆管炎に伴うDIC(主訴:黄疸),重症急性膵炎(主訴:発熱,嘔吐)を発症している症例が含まれ,自覚症状が軽度でも重篤な病態を示す症例が認められた.2)循環器疾患27例(45%),脳血管疾患24例(40%)と高率だった(クモ膜下出血等の治療中に当科紹介となった症例を含む).3)結石径は3~38mm (平均10.5mm),個数は1~15個(平均2.7個)だった.また堆積型結石3例を認めた.4)56例(93.3%)に載石を試み,その手技はEST(胆管拡張用大口径バルーン併用を含む)50例,EPBD6例で成功率は94.6%だった.載石不成功例を含め胆管ドレナージで終了した症例は7例(11.7%)で全例チューブ留置に成功した.5)経過中7例(11.7%)で偶発症(膵炎5例,出血2例)を認めた.膵炎5例(軽症2例,中等症3例)は全例保存的治療で治癒した.出血2例は内視鏡的に止血しえた.【結語】超高齢者における総胆管結石の内視鏡治療は,偶発症の危険性はあるが高い成功率を示しており有用と考えられた. |
索引用語 | 超高齢者, 総胆管結石 |