セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 027:

破裂を契機に診断された肝粘液性嚢胞腺癌の一例

演者 柴田 賢吾(北海道大学 消化器外科1)
共同演者 神山  俊哉(北海道大学 消化器外科1), 横尾 英樹(北海道大学 消化器外科1), 武冨 紹信(北海道大学 消化器外科1), 若山 顕治(北海道大学 消化器外科1), 柿坂 達彦(北海道大学 消化器外科1), 敦賀 陽介(北海道大学 消化器外科1), 蒲池 浩文(北海道大学 消化器外科1)
抄録 破裂を契機に診断された肝粘液性嚢胞腺癌の一例柴田 賢吾、神山 俊哉、横尾 英樹、若山 顕治、柿坂 達彦、敦賀 陽介、蒲池 浩文、、武冨 紹信                                 (北海道大学、 消化器外科一講座)【はじめに】巨大な肝粘液性嚢胞腺癌の切除例はしばしば散見されるが、破裂例は極めてまれである。今回、破裂を契機に診断された肝粘液性嚢胞腺癌の症例を経験したため報告する。                                        【症例】                                    症例は65歳の女性で、突然の右下腹部痛を主訴に近医受診した。保存的加療行うも著効せず、当科入院し腹部CTにて肝右葉に125*110*178mmの境界明瞭で大部分が造影効果を伴わない嚢胞性腫瘤病変で辺縁の一部に造影効果を伴う不整な充実性成分と石灰化、腫瘤の尾側で壁の途絶と傍結腸腔に腫瘤から連続する腹水の貯留を認めた。また、EOB-MRIでは多房性の嚢胞性病変の所見を認めた。嚢胞腺癌の破裂の診断と診断し、肝右葉切除術を施行。病理所見より被膜を有し、多房性で内部を乳頭状増生を示す粘液生産性上皮で覆われた嚢胞性腫瘍で、充実性成分の内部は核の大小不同の乳頭状増殖を認め腺癌の所見であった。また、上皮下に間葉性間質が一部存在しER染色・PgR染色がごく一部陽性を示したことからmucinous cystic adenocarcinomaの診断を得た。                                        【考察】肝の粘液性嚢胞腺腫・腺癌は非常にまれな疾患とされており嚢胞性病変の5%以下といわれている。その鑑別と確定診断は画像では困難で顕鏡のみとされており、外科切除が第一選択とされ、破裂時においても積極的な外科切除が望まれる。
索引用語 肝粘液性嚢胞腺癌, mucinous cystic adenocarcinoma