セッション情報 一般演題

タイトル 065:

慢性膵炎に対する内視鏡的膵管ステンティング(EPS)後の手術例の検討

演者 松本 和幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
共同演者 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 潟沼 朗生(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 小山内 学(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 矢根 圭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 金 俊文(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高木 亮(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松森 友昭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 権 勉成(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 安保 義恭(手稲渓仁会病院 外科), 中村 文隆(手稲渓仁会病院 外科)
抄録 【目的】慢性膵炎に伴う内視鏡治療は有用であるが、膵炎に伴う十二指腸狭窄、治療抵抗性の仮性嚢胞など手術を要する場合がある。当センターで慢性膵炎に対してEPS治療後に手術を要した例について検討する。【対象と方法】2012年7月までにEPSを施行した慢性膵炎は134例であり、そのうち手術を要した9例(6.7%)を対象とした。男女比 8 : 1、年齢中央値 45歳(35-59)。膵石合併は77.8%(7/9)、仮性嚢胞合併は88.9%(8/9)であった。検討項目は、1) 膵炎の原因、2) 手術理由と手術前治療、3) 術式、4) 術後再燃とした。【成績】1) 膵炎の原因はアルコール 8、膵管癒合不全 1。 2) 手術理由はEPS無効 2(初回留置後の仮性嚢胞の増大)、十二指腸狭窄 3、反復性胆管炎 1、仮性嚢胞 3。手術を要するまでの内視鏡治療期間(EPS無効例は除く)は中央値33ヶ月(10-44)であり、治療内容はEPSに加えてEBS 3、EUS下嚢胞ドレナージ 2、ESWL 2(重複あり)であった。3) 術式は初回EPS無効の仮性嚢胞2例に対しDP 2、十二指腸狭窄の3例に対しPD 1、胆管空腸+胃空腸吻合 1、胃空腸吻合 1、反復性胆管炎に対し胆管空腸吻合 1、仮性嚢胞の3例に対しDP 2、胃嚢胞吻合 1であった。4) 術後観察期間の中央値は50ヶ月(3-137)であり、再燃は認めていない。【結論】慢性膵炎に対する手術治療は、内視鏡治療困難例に対し有用であり、内視鏡治療の長期化あるいは頻回の処置を要する例に考慮すべき治療法と考える。
索引用語 慢性膵炎, 手術