セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 129:Benign multicystic peritoneal mesotheliomaの1例 |
演者 | 平子 匡(製鉄記念室蘭病院消化器内科・血液腫瘍内科) |
共同演者 | 藤井 重之(製鉄記念室蘭病院消化器内科・血液腫瘍内科), 三浦 翔吾(製鉄記念室蘭病院消化器内科・血液腫瘍内科), 山田 充子(製鉄記念室蘭病院消化器内科・血液腫瘍内科), 安部 智之(製鉄記念室蘭病院消化器内科・血液腫瘍内科), 櫻井 環(製鉄記念室蘭病院消化器内科・血液腫瘍内科), 黒田 裕行(製鉄記念室蘭病院消化器内科・血液腫瘍内科), 前田 征洋(製鉄記念室蘭病院消化器内科・血液腫瘍内科), 藤田 美悧(同病理・臨床検査室), 仙丸 直人(同外科・呼吸器外科), 在原 洋平(札幌医科大学医学部第四内科), 定免 渉(札幌医科大学医学部第四内科) |
抄録 | 中皮腫(mesothelioma)は、胸膜、腹膜、心膜などの体腔上皮に由来する腫瘍である。腹膜由来のmesotheliomaは、びまん性で悪性のものがほとんどであり、良性はまれであるが、その中でも、multicystic typeは特殊型と考えられ、非常にまれである。今回、我々は、腹腔内に大小多数の嚢胞性病変として認められたBenign multicystic peritoneal mesotheliomaの1例を経験したので報告する。症例は、67歳女性。腹部の違和感、膨満感を主訴に当院外来を受診。画像検査を施行した所、腹部エコーにて骨盤腔のやや右寄りに長径16cm大の巨大な嚢胞性腫瘤を認め、左腎臓近くにも径30mm程度の嚢胞性腫瘤を認めた。CT検査では、上記巨大病変は内部がややhigh densityながら均一で、明らかな充実性部分を認めない嚢胞性病変であった。また、左側の小腸間膜内にはエコー検査でも指摘された嚢胞性病変を認め、それ以外に腹腔内には微細な結節影が散在していた。卵巣由来の腫瘍の可能性が考えられた為、当院婦人科にコンサルトし、手術を施行。術中所見にて両側卵巣に異常を認めなかった事から、腸管膜由来嚢胞性腫瘍と考え、手術を当院外科に代わって摘出術を施行した。腹腔内には多数の小嚢胞が存在し完全摘出は困難であった為、上記2か所の腫瘤と小嚢胞1か所の切除で終了とした。切除標本を病理組織学的に検討した所、腫瘍は1層の上皮細胞や2、3層から数層の細胞が裏打ちし、内部にserous fluidを含む嚢胞で構成され、異型や浸潤像など悪性所見は認めなかった。特殊染色の結果と合わせて、Benign multicystic peritoneal mesotheliomaの診断となった。若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 中皮腫, 嚢胞性病変 |