セッション情報 |
一般演題(研修医(卒後2年迄))
|
タイトル |
030:Virchowリンパ節転移で発見されたS状結腸癌の1例
|
演者 |
佐々木 貴弘(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科) |
共同演者 |
武藤 桃太郎(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 下田 瑞恵(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 石川 千里(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 井上 充貴(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 高橋 裕之(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 萩原 正弘(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 青木 貴徳(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 橋本 道紀(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 稲葉 聡(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 矢吹 英彦(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科) |
抄録 |
症例は65歳女性。平成24年10月中旬、ショルダーバックをかけた時、左鎖骨上窩の腫瘤に気付き当院耳鼻科を受診する。同部位からのリンパ節生検で中分化管状腺癌の診断となった。原発巣検索目的で当科紹介となった。血液検査所見でCEA 10.7ng/mlと高値であり、CT検査で左鎖骨上窩から上縦隔にかけて複数のリンパ節腫大と、S状結腸に全周性の壁肥厚を認めた。上部消化管内視鏡検査は異常なく、下部消化管内視鏡検査施行したところ、S状結腸に全周性の2型腫瘍を認め、生検で高分化管状腺癌の診断となった。S状結腸癌と左鎖骨上窩リンパ節転移を免疫染色したところ、共にCK7(―), CK20(+)と、大腸癌を強く示唆する染色結果で、S状結腸癌、Virchowリンパ節転移と診断した。同年11月にS状結腸切除術、D3郭清を施行した。病理組織診断は中分化腺癌、SE, N3, H0, P0, M1(Virchowリンパ節), stage4であった。術後経過は良好で、今後全身化学療法を予定している。 リンパ行性転移の終末像と考えられているVirchowリンパ節転移は、結腸癌において同時性で0.1%と稀である。また、Virchowリンパ節や大動脈周囲リンパ節などの同時性遠隔リンパ節転移陽性症例の5年生存率は、3%前後と報告されている。しかしながら、FOLFOX/FOLFIRIといった化学療法が標準治療として導入され、Virchowリンパ節転移陽性症例に関しても長期生存の報告が散見されるようになっている。今回我々は、肝・肺転移などの多臓器転移を伴わずVirchowリンパ節に転移した大腸癌の1例を経験したので報告する。 |
索引用語 |
Virchowリンパ節, 大腸癌 |