セッション情報 一般演題

タイトル 078:

十二指腸乳頭部神経内分泌腫瘍(NET)の1切除例

演者 梅村 真知子(釧路労災病院 内科)
共同演者 澤田 憲太郎(釧路労災病院 内科), 笠原 耕平(釧路労災病院 内科), 安孫子 怜史(釧路労災病院 内科), 藤澤 倫子(釧路労災病院 内科), 村中 徹人(釧路労災病院 内科), 加藤 励(釧路労災病院 内科), 高坂 琢磨(釧路労災病院 内科), 高橋 一宏(釧路労災病院 内科), 曽我部 進(釧路労災病院 内科), 山本 文泰(釧路労災病院 内科), 小田 寿(釧路労災病院 内科), 宮城島 拓人(釧路労災病院 内科), 長佐古 良英(釧路労災病院 外科), 小笠原 和宏(釧路労災病院 外科), 高橋 達郎(釧路労災病院 中央検査科)
抄録 症例は生来健康な50代男性.検診のGIFで異常を認めたため精査目的に入院となった.GIF通常光観察では,十二指腸下行脚にφ2cm大の正常十二指腸粘膜に覆われた隆起性病変を認め,近傍に胆管開口部を認めた.EUS(コンベックス型)では長径15mm大の十二指腸壁第3層に主座のある境界明瞭な内部均一のhypo echoic lesionとして描出された.主膵管はこの辺縁をかすめるように走行しており,十二指腸乳頭部NETを疑う所見であった.ボーリング生検では類円形で均一な核を有する類円形細胞が充実性小胞巣状構造を形成しており,免疫組織化学的にはAE1/AE3(+),Chromogranin A(+),Synaptophysin(+),CD56(+),Ki-56標識率1%以下であり,NET G1の所見であった.CT所見等より,NET G1, cT2N0M0 cStageIIAと診断し,根治的切除目的に膵頭十二指腸切除を施行した.
術後病理組織学的検討では,術前検査所見と同様に腫瘍は粘膜下層に留まり,その辺縁にそって共通管が走行していた. 腫瘍細胞に核分裂像はほとんどなく,Ki-67標識率も1%程度で,NET G1 stageIIAと診断した.
稀な十二指腸乳頭部NETの1切除例について,多少の文献的考察等を加え報告する.
索引用語 NET, 十二指腸乳頭部NET