セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 161:当科におけるC型慢性肝炎に対する3剤併用療法の治療効果の検討 |
演者 | 小川 浩司(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科) |
共同演者 | 木下 賢治(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 原田 一顕(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 川本 泰之(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 大和 弘明(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 畑中 一映(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 山本 義也(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 成瀬 宏仁(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科) |
抄録 | 【目的】2011年12月より1型高ウイルス量C型慢性肝炎患者に対してテラプレビル(TVR)を含む3剤併用療法が可能となった。貧血、皮疹、腎機能障害といった副作用も認めているが、高い抗ウイルス効果が期待されている。当科における3剤併用療法の治療成績について検討した。 【対象および方法】2011年12月から2012年11月までに3剤併用療法を開始した29症例を対象とした。年齢中央値60歳(19-73)で性別は男性12例、女性17例、治療歴は初回投与17例、再治療12例(再燃9例、無効3例)、体重中央値61kg(43-97)であった。IL-28B rs8099917 TT/non-TT 18/10、ITPA rs1127354 CC/non-CC 22/6、Core70/91置換 double wild/non-double wild 12/12であった。HCV RNA中央値 6.4LogIU/mL、Hb中央値 13.4g/dLで、TVRは2250mg開始が21例、1500mg開始が8例であった。 【結果】2012年12月時点で25例が治療開始後12週、23例が24週経過した。TVRは17例で減量し、6例が中止となった。中止理由は皮疹3例、貧血2例、腎機能障害1例であった。皮疹は11例(38%)、Grade3の皮疹は4例(13%)に認め2例でステロイドの全身投与を行った。貧血によりRBVは全例で減量し、3剤とも中止となったのは2例であった。投与開始2週目、4週目(RVR)、8週目、12週目のHCV RNA陰性化率は50%(14/28)、79%(23/29)、93%(25/27)、96%(24/25)と治療早期に非常に高い抗ウイルス効果を認めた。IL-28B non-TT症例ではRVR率は60%(6/10)であったが、TT症例では89%(16/18)であった。TT症例でRVRを得られなかった2例は治療早期にTVRを中止していた。治療早期にTVRを中止した3例に2剤による延長投与を行っており、治療終了時のHCV RNA陰性化率(ETR)は90%(18/20)で、治療終了後4週後のHCV RNA陰性化率は78%(14/18)で無効1例、予定治療終了後の再燃2例、経過中の3剤中止後再燃1例であった。 【結語】TVRを含む3剤併用療法は皮疹や貧血など副作用も強く出現するものの、非常に高い抗ウイルス効果を有していた。しかし減量中止例も多く今後薬剤Adherence向上に向けたTVR等の投与量の基準設定が必要と考えられた。 |
索引用語 | C型慢性肝炎, テラプレビル |