セッション情報 シンポジウム2「高齢者における肝胆膵疾患の診断・治療の問題」

タイトル S2-1:

遺伝子型1型高ウイルス量の高齢者慢性C型肝炎に対するIFN治療成績と問題点

演者 小関 至(札幌厚生病院 第3消化器科)
共同演者 木村 睦海(札幌厚生病院 第3消化器科), 荒川 智宏(札幌厚生病院 第3消化器科), 中島 知明(札幌厚生病院 第3消化器科), 桑田 靖昭(札幌厚生病院 第3消化器科), 大村 卓味(札幌厚生病院 第3消化器科), 佐藤 隆啓(札幌厚生病院 第3消化器科), 髭 修平(札幌厚生病院 第3消化器科), 狩野 吉康(札幌厚生病院 第3消化器科), 豊田 成司(札幌厚生病院 第3消化器科)
抄録 【目的】65歳以上の1型高ウイルス量高齢者C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン (PEG-IFN) / リバビリン (RBV) 併用療法 [P/R]、Telaprevir、PEG-IFN、RBVによる3剤併用療法 [T/P/R]の治療成績と、治療に影響する因子を検討する。【対象と方法】治療開始時65歳以上P/R 72例(=A群)、65歳未満P/R 242例 (=B群)、65歳以上T/P/R 15例(=C群)、65歳未満T/P/R 50例 (=D群)と分類した。A群、B群の年齢中央値は、それぞれ、67歳、54歳、男性は32例、121例、IL28B majorは、47%、66% (p=0.033)であった。C群、D群の年齢中央値は、それぞれ、67歳、57歳、男性は7例、29例、IL28B majorは、47%、68%であった。P/R例では、SVRとRBVアドヒアランスを、T/P/R例では、RVR、ETR、SVR4、SVR12と、TVR、RBVアドヒアランスの検討を行った。【成績】1) P/R例の検討―A群、B群のSVRは、それぞれ、34.7%、46.3%、治療12週時HCV RNA陽性のため72週延長投与した症例に限ると、37.5%、60.5% (p=0.005)であった。IL28B major例のA群、B群のSVR率は、50.0%、53.7%、IL28B minor例では, 6.3%、22.1%、48週完遂例のRBVアドヒアランスは88.0%、 90.3%であった。2) T/P/R例の検討―C群、D群のRVRは、それぞれ、73.3%、80.8%、ETRは76.9%、87.5%、SVR4は76.9%、82.9%、SVR12は50.0%、84.0%であった。C群、D群のTVRアドヒアランスは、69.0%、80.7%、RBVアドヒアランスは、同様に53.7%、57.7%であった。【結語】治療対象の高齢者では IL28B majorの頻度が低下し、特にT/P/R例では、薬剤のアドヒアランス低下が加わり、非高齢者と比して、治療効果が低率となったものと推測された。SVR12までの検討であるが、T/P/R例では、P/R例と比して、治療効果向上が期待される結果となった。
索引用語 C型慢性肝炎, IFN