セッション情報 一般演題

タイトル 117:

虚血性大腸炎診断にエコー検査を普及させる第一歩

演者 武藤 修一(苫小牧市立病院 消化器内科)
共同演者 宮本 秀一(苫小牧市立病院 消化器内科), 江藤 和範(苫小牧市立病院 消化器内科), 小西 康平(苫小牧市立病院 消化器内科)
抄録 【目的】虚血性大腸炎は,臨床的背景で限りなく推測可能と考えられるが,診断としてCT検査や内視鏡検査が第一に行われることが多い.我々は,放射線被爆や侵襲を考慮すると,急性期に腹部エコー検査を行う事が第一選択と考えている.当科における虚血性大腸炎に対する診断の変遷について検討した.【方法】対象は,2012年1月から2012年11月の間に虚血性大腸炎と診断された28例で男性9例,女性19例,年齢中央値69歳(19歳から90歳)であった.診断にエコー検査,CT検査,内視鏡検査の施行頻度について検討した.【結果】3例は,内視鏡検査時に偶然見つかった虚血性大腸炎であったため,症状のあった25例で検討を行った.検査前に虚血性大腸炎を鑑別に挙げていた症例が18例,鑑別していなかった症例が7例であった.鑑別に挙げていた症例でエコー検査を最初に行ったのは11例,CT検査は5例,内視鏡検査は2例に行っていた.また,鑑別していなかった7例では,第一選択としてエコー4例,CT1例,内視鏡が2例施行された.【考察】前回の発表にて,当院における4年間の虚血性大腸炎を診断した100例の報告時,エコー検査は最初に約30%施行されていた.今回,虚血性大腸炎を疑った場合にエコー検査は61%に施行され,鑑別していなくとも57%に施行されていた.一方で前回 CTは88%に施行されていたが,今回はそれぞれ,28%,14%と使用頻度が低下していた.虚血性大腸炎の診断に,当院の様な一般病院でも簡便かつ低侵襲である腹部エコー検査が広がっていくことが期待される.
索引用語 エコー検査, 虚血性腸炎