セッション情報 一般演題

タイトル 130:

腹腔内に出現した原発不明癌の一例

演者 見田 裕章(札幌しらかば台病院 消化器科)
共同演者 足立 靖(札幌しらかば台病院 消化器科), 原田 拓(札幌しらかば台病院 消化器科), 秋野 公臣(札幌しらかば台病院 消化器科), 菊地 剛史(札幌しらかば台病院 消化器科), 澤田 武(札幌しらかば台病院 消化器科), 高橋 秀明(札幌しらかば台病院 消化器科), 安達 靖代(札幌しらかば台病院 消化器科), 中村 正弘(札幌しらかば台病院 消化器科), 吉田 幸成(札幌しらかば台病院 消化器科), 加藤 康夫(札幌しらかば台病院 消化器科), 石井 良文(札幌しらかば台病院 病理), 遠藤 高夫(札幌しらかば台病院 消化器科)
抄録 【症例】80歳代女性。【主訴】発熱、食思不振。【現病歴】気管支喘息、橋本病、偽痛風、認知症のため外来通院中だった。発熱、食思不振、左足背の圧痛および尿量の低下を認め、精査加療のため入院となった。【経過】抗生剤などの加療により一旦解熱したが、食思不振のため退院は困難であった。第3病日に施行した上部消化管内視鏡検査では逆流性食道炎を認めたが、腫瘍性病変は認めなかった。発熱の原因精査のため施行した腹部CT検査では腎嚢胞、卵巣嚢胞の他に、胃小弯近傍にφ1.6cmの腫瘤像を認めた。ご家族に精査を勧めるも希望されなかった。その後発熱と炎症反応の上昇を繰り返し抗生剤の使用によっても解熱せず、不明熱の原因として悪性リンパ腫などが疑われた。第114病日の腹部CT検査で、胃小弯近傍の腫瘤の腫大を認めた。第161病日の腹部CTでは胃小弯近傍の腫瘤のさらなる腫大(φ5.6cm)に加え、多発する肝内腫瘤、両側胸水および肺結節像を認めた。その後全身状態が徐々に悪化し第196病日に永眠された。確定診断のためご家族に病理解剖を依頼し承諾いただいた。病理解剖において腹腔内腫瘍の主体は傍膵部にあり膵には僅かに浸潤しているのみで、肝に広範に転移しているのが確認された。腫瘍はHMWK/LMWK陽性で、形質は類基底癌だが、細胞は多型性であり、solid typeの未分化癌/退形成癌(anaplastic carcinoma)とでも呼ぶべきものであった。免疫組織染色では CK7+/CK20-、またMUC2-/5AC±であり、膵導管由来の未分化癌の可能性が示唆された。以上の病理所見と臨床経過から、異所性膵から発生したanaplastic carcinomaの可能性が推測された。【考察】異所性膵は上部消化管の粘膜下層に発生することが多く、また異所性膵が癌化を起こしたとする報告はまれである。興味深い症例と考えられたので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 不明熱, 退形成癌