セッション情報 一般演題

タイトル 185:

胃出血を繰り返した、開腹ペースメーカー植え込み術後の前縦隔・胃ヘルニアに対し腹腔鏡を補助的に用いた胃固定術の一例

演者 徳渕 浩(釧路労災病院 外科)
共同演者 河合 朋昭(釧路労災病院 外科), 小笠原 和宏(釧路労災病院 外科), 長佐古 良英(釧路労災病院 外科), 高橋 学(釧路労災病院 外科), 草野 満男(釧路労災病院 外科)
抄録 【症例】73 歳 女性【主訴】吐下血【既往歴】51歳時 左乳癌にて左乳房全摘術、65歳時 ペースメーカー植え込み術(開腹)【現病歴】ペースメーカー植え込み術後にて前医通院中、貧血(Hb 7.7g/dl)認め当院内科紹介。胃の前縦隔へのヘルニアと、これに伴う胃体下部の狭窄、びらんからの出血を認め、輸血,PPI,絶食にて保存的に一旦軽快。2週間後に再度吐下血認めた。以後食事を再開する度に吐下血を繰り返すため、手術の依頼となった。【胸腹部所見】心窩部正中にscar。左上腹部にペースメーカー。【手術】腹腔鏡で観察すると、前縦隔に大きなヘルニア門を認め、胃前庭部が挙上し心膜と癒着していた。ヘルニア門の閉鎖は困難と判断し、癒着剥離し胃前庭部を腹腔内に戻した後、小開腹下に胃壁と腹壁の固定術を行った。【術後経過】3PODに飲水開始。7PODに経口ガストロ造影にて胃の偏位を認めないことを確認し食事開始。術後吐下血は認めず、15PODに退院。非常に稀な経過の症例であり、報告する。
索引用語 ペースメーカー, 横隔膜ヘルニア