セッション情報 一般演題

タイトル 126:

逆流性食道症に対する腹腔鏡手術の検討

演者 山本 和幸(斗南病院 外科)
共同演者 奥芝 俊一(斗南病院 外科), 岩城 久留美(斗南病院 外科), 小野田 貴信(斗南病院 外科), 鈴木 善法(斗南病院 外科), 川原田 陽(斗南病院 外科), 北城 秀司(斗南病院 外科), 加藤 紘之(斗南病院 外科)
抄録 【はじめに】逆流性食道症の外科治療は古くからNissen法などが施行されてきたが、近年腹腔鏡手術が導入され、その施行例が増加してきている。逆流性食道症の治療は、H2-blockerやPPIなどの酸分泌阻害薬が第一選択である。外科的治療の適応として、1. 内科的治療が奏効しない場合、2. 年齢、治療期間、経済的理由で内科治療が奏効しても外科治療が望ましい場合、3. バレット食道や狭窄、高度食道炎を合併する場合、4. 巨大な食道裂孔ヘルニアによる出血や嚥下障害などの合併がある場合、5. 喘息、嗄声、咳嗽、誤嚥などの症状がある場合、もしくは24時間pHモニタリンングで高度の逆流を証明できる場合、などである。実際に薬物治療に抵抗を示し内視鏡検査では逆流性食道症の所見が無い場合でも、24時間pHモニタリングにより酸の逆流が証明されるケースでは、外科的治療の良い適応と考えている。【目的】当科で逆流性食道症に対して腹腔鏡手術を施行した症例を検討し、その安全性と有用性を検討した。【対象と方法】2005年4月から2012年9月までに当院で腹腔鏡手術を施行された9例を対象に手術時間、出血量、術後合併症、術後在院日数、症状を検討した。【結果】対象患者の平均年齢は76(47-82)歳で、手術動機は6例(内服治療無効)、1例(通過障害)、1例(呼吸苦)であった。術式はFloppy Nissenが7例、Toupetが2例であった。平均手術時間225分(138-390)、平均出血量79ml(0-285)、在院日数中央値13日(8-28)、合併症は誤嚥性肺炎を1例に認めたのみであった。全例で症状の改善を認め、酸分泌阻害薬の減量もしくは中止が可能であった。【結語】腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア根治術は安全に施行可能であり、有用であった。逆流性食道症は薬物治療で簡単に治癒するものは良いが、薬物治療に抵抗を示す比較的若年者では早めに外科的治療を行うことも考慮すべきであろう。
索引用語 GERD, 逆流性食道症