セッション情報 | シンポジウム1「高齢者における消化管疾患の診断・治療の問題」 |
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タイトル | S1-6:当院における高齢者・非高齢者の根治不能大腸癌に対する全身化学療法の検討 |
演者 | 川本 泰之(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科) |
共同演者 | 畑中 一映(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 木下 賢治(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 原田 一顕(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 大和 弘明(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 小川 浩司(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 山本 義也(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 成瀬 宏仁(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科) |
抄録 | 本邦では高齢化社会の進行に伴い、より高齢の患者に対して全身化学療法を行う機会が急速に増加している。非高齢者と同じように、抗癌剤の多剤併用による臨床試験も数多く実施されるようになってきており、生存期間の向上が証明され始めている。 一方で、高齢者に対する化学療法では、合併症と副作用を考慮しながら、QOLを重視し、無理のない化学療法が行うことが重要である。臓器機能、とくに薬剤の代謝を行う肝臓や腎臓の機能は加齢とともに低下していることも多い。また、高齢者では高血圧や糖尿病といった循環器や代謝疾患の合併症が多く、複数の薬剤を常用しているため、抗癌剤との相互作用などにも注意が必要である。 今回、我々は75歳以上の後期高齢者を「高齢者」として定義し、2005年1月から2011年12月の期間に、当院で根治不能大腸癌に対して一次治療として全身化学療法を導入した166例のうち、44例 (27%) の高齢者と122例 (73%) の非高齢者について解析を行った。 生存期間中央値は高齢者/非高齢者=741/798 (日) で、高齢者群でも遜色のない生存期間の延長が認められる結果であった。一次治療として選択された治療法は多い順に、高齢者ではFOLFOX/FOLFIRI/FOLFOX+Bmab/S-1 = 22/7/4/4、非高齢者ではFOLFOX/FOLFOX+Bmab/XELOX/FOLFIRI = 53/19/8/7であり、選択レジメンに大きな差は認められなかった。しかし、非高齢者群にBest Supportive Care (BSC) 選択はなかったが、高齢者群にはBSC選択が2例あった。 また、これらの症例における、背景、用量強度、合併症の有無、死因等について検討し報告する。 |
索引用語 | 高齢者, 大腸癌 |