セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 087:

当院における胃ESDの検討

演者 植村 尚貴(王子総合病院 消化器内科)
共同演者 南 伸弥(王子総合病院 消化器内科), 松野 鉄平(王子総合病院 消化器内科), 石川 和真(王子総合病院 消化器内科), 奥田 敏徳(王子総合病院 消化器内科), 土居 忠(王子総合病院 消化器内科), 橋本 亜香利(王子総合病院 血液腫瘍内科), 藤見 章仁(王子総合病院 血液腫瘍内科), 蟹沢 祐司(王子総合病院 血液腫瘍内科)
抄録 【目的】胃腫瘍に対するESDの基本的手技はほぼ確立し広く普及しつつあるが、偶発症の一つである後出血は緊急の対応を必要とすることもありその対策は重要である。今回当院における胃ESD後出血をretrospectiveに検討した。 【対象】2006年4月より2012年11月までに当院で施行した胃ESD252症例291病変。性別は男性209例、女性82例。平均年齢73.0歳 (46~91歳)。患者背景や治療内容について後出血群と非出血群で比較検討をした。尚、後出血は輸血や緊急内視鏡を行った症例、Hb 2g/dl以上の低下を認めた症例とした。また当院では原則的にESD翌日にsecond-look内視鏡を施行、2日目より食事を開始し、6日目に退院としている。 【結果】後出血率 5.1% (15/291:腺腫 2.5% 2/80、ガイドライン病変 6.3% 8/127、適応拡大病変 6.8% 4/59、適応外病変 4.0% 1/25)、病変部位 U/M/L:10.0% (4/40)/ 5.4% (8/149)/ 3.1% (3/96)、後出血までの平均期間 ESD後9.6日 (2-25日)、年齢 後出血群 70.7歳 (51~83歳)・非出血群 73.2歳 (46~91歳)、性別 後出血群 男/女:11/4・非出血群 男/女:198/78、一括切除率 後出血群 93.3% (14/15)・非出血群 97.5% (269/276)、腫瘍径 後出血群 20.1mm (5-63mm)・非出血群 16.7mm (2-62mm)、治療時間 後出血群 107.3分 (22-330分)・非出血群 67.6分 (8-330分)、合併症の有無 後出血群 73.3% (11/15)・非出血群 54.0% (149/276)、抗血栓薬の有無 後出血群40.0% (6/15)・非出血群 23.2% (64/276) 【結論】当院における胃ESD後出血を認めた症例の傾向として、治療時間が長いこと、合併症の存在、抗血栓薬の服用が挙げられた。とくに、近年高齢化が進むにつれて抗血栓薬の服用を必要とする患者が増加しており、後出血を増加させないよう今後もさらに留意する必要があると思われた。
索引用語 胃腫瘍, ESD