セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 041:

腹部大動脈瘤の拡大によって上腸間膜動脈症候群をきたした1例

演者 山田 徹(NTT東日本札幌病院 消化器内科)
共同演者 清水 佐知子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 堀本 啓大(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 山本 洋一(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 小野 雄司(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 横山 朗子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 赤倉 伸亮(NTT東日本札幌病院 消化器内科)
抄録 【症例】70歳代、男性。2012年9月、腰椎L3の圧迫骨折で近医整形外科に入院中にイレウスを発症し当科紹介され、転院となった。大腸脾弯曲部に狭窄が疑われたが、scopeの通過で解除された。その後、イレウス症状なく経過し食事も開始となっていたが、第20病日に突然の嘔気・嘔吐が出現し、腹部Xp検査では胃の著明な拡張を認めた。絶食・補液の上、胃管を挿入し保存的治療を開始した。CT検査では、入院時より認めていた腰椎圧迫骨折部の腹側の腹部大動脈瘤(以下、AAA)の拡大を認めた。また、AAAと上腸間膜動脈(以下、SMA)に挟まれるように十二指腸水平脚部が狭窄し、それより口側の十二指腸・胃が著明に拡張しており、SMA症候群と診断した。入院時と比較してAAAの解離腔内の造影域が拡大しており、瘤の拡大の進行の可能性が高いと考えられたため、当院心臓血管外科に転科し、第23病日に緊急ステントグラフト内挿術を施行した。術後、AAAの縮小が認められ、IVH等により栄養状態も改善し、SMA症候群の症状は消失した。第63病日に退院となった。【結語】AAAによる十二指腸の圧迫・閉塞で、SMA症候群に至る症例は比較的稀であるとされており、今回、文献的考察を加え報告した。
索引用語 上腸間膜動脈症候群, 腹部大動脈瘤