セッション情報 一般演題

タイトル 066:

膵内分泌腫瘍におけるEUS-FNAの臨床成績と外科的切除標本との比較検討

演者 桑谷 将城(北海道大学 消化器内科)
共同演者 河上 洋(北海道大学 消化器内科), 川久保 和道(北海道大学 消化器内科), 羽場 真(北海道大学 消化器内科), 工藤 大樹(北海道大学 消化器内科), 阿部 容子(北海道大学 消化器内科), 平野 聡(北海道大学 消化器外科II), 坂本 直哉(北海道大学 消化器内科)
抄録 【目的】膵内分泌腫瘍 (P-NET) に対する術前EUS-FNAの臨床成績を明らかにすること.【対象】2005年6月~2012年11月の間,術前EUS-FNAを施行し,外科的切除を行ったP-NET 13例 (13病変).【方法】EUS-FNA検体と切除標本の病理学的所見を比較し,正診率,Ki-67標識率の検討を行った.Ki-67 標識率は,EUS-FNA検体では平均値,切除標本では最大値で評価した.【検討項目】(1) 患者背景,EUS-FNA検体における (2) 腫瘤径・腫瘤部位別正診率,(3) 腫瘤径別Ki-67標識率,切除標本における (4) 腫瘤径別Ki-67標識率,(5) EUS-FNA検体と切除標本におけるKi-67標識率によるgrade一致率,とした.【結果】(1) 平均年齢 56.3歳 (35-78),男女比 4:9,膵頭部:膵体尾部 6:7,平均腫瘍径 41.5mm (9.5-135.6) であった. (2) 腫瘤径≦20mm (n=4):細胞診75%・組織診100%,>20mm (n=9):細胞診88.9%・組織診100%.膵頭部:細胞診66.7%・組織診100%,膵体尾部:細胞診・組織診100%.(3) 腫瘤径≦20mm (n=4):4/4 ≦2%,>20mm (n=9):4/9 ≦2%,3%≦ 4/9 ≦20%,1/9>20%. (4) 腫瘤径≦20mm (n=4):3/4 ≦2%,1/4=3%,>20mm (n=9):2/9 ≦2%,3%≦ 6/9 ≦20%,1/9>20%.(5) 全体9/13= 69.2%,G1 4/5= 80%,G2 4/7= 57.1%,NEC 1/1= 100%.【考案】P-NETに対するEUS-FNAによる組織診の成績は良好であった.Ki-67標識率は腫瘍径の増大に伴って増加する傾向にあったが,EUS-FNA検体と切除標本のKi-67標識率は必ずしも一致せず,術前P-NETの悪性度評価には限界がある.
索引用語 膵内分泌腫瘍, EUS-FNA