セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 056:胃癌腹膜転移症例に対するDocetaxel+CDDP+S-1 (DCS)併用療法の有効性 |
演者 | 大沼 啓之(札幌医科大学 第四内科) |
共同演者 | 佐藤 康史(札幌医科大学 第四内科), 山田 尚太(札幌医科大学 第四内科), 堀口 拓人(札幌医科大学 第四内科), 平川 昌宏(札幌医科大学 第四内科), 林 毅(札幌医科大学 第四内科), 佐藤 勉(札幌医科大学 第四内科), 宮西 浩嗣(札幌医科大学 第四内科), 瀧本 理修(札幌医科大学 第四内科), 小船 雅義(札幌医科大学 第四内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 第四内科) |
抄録 | 【背景・目的】S-1を中心とした化学療法の発展により切除不能再発胃癌の生存期間の延長が得られているが,約半数を占める腹膜播種症例,特に腹水貯留症例では経口摂取不良やRECIST標的病変がないなどの要因により臨床試験の対象となりにくく,標準治療は確立していない.当科ではS-1にCDDPとDocetaxel(DTX)の3剤を併用した化学療法(DCS療法)を進行再発胃癌に対する一次治療として行い,良好な成績(奏効率 87.1 %,MST 660日)を報告してきた.今回DCS療法を施行した腹膜播種症例の治療成績をレトロスペクティブに検討し,同対象に対するDCS療法の意義,治療戦略について考察した. 【対象・方法】2002 年12月から2012年10月までにDCS療法を施行した手術不能進行胃癌82症例.腹膜転移と腹水貯留度はJCOG0106試験に準じ定義した.化学療法はS-1 80 mg/m2(day1-14),CDDP 60 mg/m2(day8)およびDTX 50-60 mg/m2(day8)を3週毎に投与した. 【結果】82例中24例が腹膜播種陽性であった.腹膜播種症例は非腹膜転移例に比しDCS投与コースおよび副作用共に非腹膜転移例と有意差はなく,忍容性は良好であった.PFS(中央値7.4M vs 7.5M, p=0.423)および2次治療移行率も両群で差はみられなかった.奏効率(66.7% vs 86.2%, p=0.042)とOS(中央値16.5M vs 22.6M, p=0.021)については腹膜播種症例で有意に不良であったが,腹膜播種症例でもPSが0または1と良い症例においては中央値7コースのDCS療法が施行されており,奏効率90.0%(CR1例,PR8例),MST 26.5ヶ月と非常に良好であった.24例中4例でDCSの奏効によりconversionが得られ,adjuvant surgeryを行い治癒切除が達成された.うち2例は4年以上の無再発生存中である.8例が高度腹水貯留症例であったが,腹水貯留度とDCSの忍容性および予後に有意な相関はなく,多変量解析ではPSのみが予後に有意に影響する因子であった. 【結語】腹膜播種症例でもDCS療法の忍容性は良好であった.さらに高度腹水貯留例でもPSが良好な症例では非腹膜播種症例と同等の効果が示され,同対象に対するDSC療法の有効性が示唆された. |
索引用語 | 胃癌, 腹膜播種 |